「旨い」はあたりまえ

とにかく辛いです、もちろん旨いです


さて、先日の「イン名古屋」では夜中に年末のライブの打合せみたいなことがちょっとあって、「近くまで来たんだから」と我が「辛いラーメンの聖地」に久しぶりに行ってきた。
「屋台の味」と銘打つこの店、昔はホントに小さな屋台で営業していて毎日呑みに行っていた「なんや」から自宅への帰り道のちょうど中間辺りにあったのだ。と、言う訳でこの店にもホボ毎日「しめ」に寄っていた。
名古屋名物の「台湾ラーメン」。発祥の地である「味仙」もモチロン美味しいのだが、得てして「元祖」よりも言い方は悪いけど「二番煎じ」の方が美味しかったりする。そりゃそうか。
以前神戸で、創業以来変わらない味って「元祖豚まん」を食べたけど、やっぱり試行錯誤を繰り返して「今の味」にたどり着いた店の方が断然美味いのだ。
「元祖」なんて所詮そんなモンだ。「話のタネ」として知っておくべきではあるんだろうけど、妄信的に「それが一番」などと思い込むのは間違いだろう。
話は反れるけど、ちょっと似たような話でサックスメーカーのセルマー社が古いビンテージ楽器の人気が高いので、1960年代の復刻モデルを出そうとした時に職人から猛反対されたそうだ。職人さん達は日夜試行錯誤して「新しいもの」を作り出そうとしてるんだから、当然といえば当然。「職人のプライド」にふれてしまったという訳だ。
結局、「伝統を守る」とか「同じことをやり続ける」ってのはそれはそれで大変だし大切な事なんだろうけど、それが保守的な意味合いであったら、そこから学ぶべき事も得るものも無いんだろうな。食いモンにしても音楽にしても何に関しても言える話だと思う。

話を戻そう。我が「辛いラーメンの聖地」も今では4店舗に増え、相変わらず「辛い」を売りに頼もしく営業してるんだけど、
「ふ」と思った。
今住んでるトコの近所にテレビなんかでもよく特集される「蒙古タンメン 中本」って店があるんだけど、店内にいろいろ書いてあって(よくありがちな押し付けがましい店主のこだわりみたいなやつね)その中に「当店は旨辛です」ってのがあるんだけど、ありゃどうなんだ?
「ただ辛いだけじゃない」って事が言いたいんだろうけど、「旨い・まずい」なんて食べた人が感じる事だし、俺からしてみればむしろ「辛いだけじゃん」って味。どちらかといえば「まずい店」に入る部類。
もちろん「まず辛」に書き換えろ!なんて言う気はないけど、飲食店が「旨い」ってのを売りにするのはどうかと思うよ。
それとも、そういうジャンルがあるのかなぁ〜?
全然おもしろくもなくて、「クスッ」とも笑えないのにカテゴリーとして「お笑い芸人」って呼ばれてる人がいるみたいに、不味いのに「旨辛」ってラーメンが流行ってるのか?