ルーツ

自分探求


みなさんは「ルーツ」と聞いて何を思い浮かべますか?最近だと「缶コーヒー」って人も多いですかね。
まぁワシらの世代だと、やっぱり「クンタ・キンテ」でしょうか?小学生の頃にテレビで見たインパクトは忘れられないものがあります。
って、そんな話がしたいんじゃない!
さて、ワタクシの作る曲とか「好きなタイプの曲」の傾向には当然「これまで聴いて来た音楽」というのが影響してくる訳で。
代表的なところでは二ノ・ロータやエンニオ・モリコーネ(ともに伊)、それからミッシェル・ルグラン(仏)なんて欧州映画音楽、イージーリスニング系をあげたりするのですが、それの元になるのは、高校生ぐらいの時にハマッたクルト・ワイル(独)だったような気がしていて、
「俺のつくるレパートリーのルーツはヨーロッパ音楽にあり!」
と思っていたのですが、「はたしてそうなのか?」という気がガゼンしてきまして。
当然、高校生の時にクルト・ワイルを聴いて「お!良いね」と思うには、さらに下地があった訳で。
それこそ三原君じゃないけど、古臭いサーカスを思い浮かべるような「ブンチャッチャ、ブンチャッチャ」に反応する俺には「もっとルーツがあるはず」と、それが何かとタドッタら
「藤田妙子」
という名前にたどり着きました!
はたして「藤田妙子」とは?
この名前を聞いて、即座にわかる人はそんなにいないと思います。俺自身、今日はじめて知りました。
みなさんも、何気ない時に「フッと」頭にメロディーがよぎる事があるでしょう。
これまでの人生で、たびたび「花の種をありがとう〜♪」という三拍子の曲が俺の口から出ていたのであります。曲調としてはアニメ「母を訪ねて三千里」のエンディングテーマ「かあさんおはよう」に似た曲です。(この曲も大好きなのですが、好きになる理由があったんですねぇ)
で、「花の種」の曲はなんだっけ?と考えてみたら、鬼頭哲6歳、幼稚園の年長さんで山口先生担任の「あお2くみ」の時に「お遊戯会」(学芸会みたいなやつです)でやった「オペレッタ」の曲だったのであります。
ただし「やった」というのは多少間違いで、哲くんの組がやった出し物「タイムマシン」の曲ではなく、隣の組がやった「宝島」のエンディング曲だったのですが。
それにしても、自分で歌ったワケでもないのに、歌詞までちゃんと覚えているし、ストーリーも鮮明に覚えているって、よっぽど好きだったんだろうなぁ。(自分の組がやった曲ではミニ怪獣が歌う「青い花」の歌を今もよく思い出します、こちらも三拍子!)
それらの曲をはじめ、歌詞や物語を作っていたのが藤田妙子さんだったのです。
調べてみると、藤田妙子さんが手がけたオペレッタは「海賊たちと宝島」のほかにも「タイムマシン」はもちろん「おしゃべりな玉子焼き」「ぞうの玉子の玉子焼き」など、今はどうだかわからないけど俺ぐらいの世代の人は幼稚園〜小学生の頃に学芸会で見たり、やった事があるものばかりだと思う。
同じ作者の音楽として、今思い返してみると、たしかに「藤田節」みたいな共通点があるように思える。
それは
「おぼえやすい」「うたいやすい」「わすれられない」
まさしく藤田妙子さんが子供の為につくった音楽には、この素晴らしい三要素がそろっていたんですねー!
「俺のつくるレパートリーのルーツは幼稚園にあり!」

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藤田 妙子さんについて
1916年作曲家弘田龍太郎の長女として生まれる。幼児より厳しい音楽教育を受け、ピアノ、絵画の修行を積む。1928~29年龍太郎の留学に伴って渡独し、ベルリンのラーバン、ビグマン舞踊学校でモダンダンスを学ぶ。1947年東京・世田谷に「ゆかり文化幼稚園」を設立。また、池内友次郎について和声学、対位法を学ぶ。1960~65年日本テレビ「テレビのおばちゃま」に出演。駒沢女子短期大学助教授のほか、昭和女子大学などいくつかの大学の講師として、幼児教育者養成に携わった。新美術家協会会員、日本音楽著作権協会会員、ゆかり文化幼稚園園長。2001年7月7日逝去

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長くなったついでに。
さっき書いた「かあさんおはよう」みたいな曲が自分のバンドでやりたくって作った曲がブラバンのレパートリー「帽子先生の大冒険」なんですが、三拍子そのままは「ナンだな」と思って五拍子にしてみたのでした。
ちなみに「かあさんおはよう」を作曲した坂田晃一さんは、なんと俺がカラオケで「たまに」歌う「もしもピアノが弾けたなら」の作曲者でもあったのであります!
う〜ん、「ルーツに偶然なし」ってやつか?ちょっとビックリ。
ただし、俺の歌うのはヒドイ替え歌で
「♪だけど〜僕には○○が無い〜君に〜聴かせる腕がない〜」
という大ヒンシュクなバージョンですけど。