計画的利用

なくなる前に飲んどけ


発売から一週間ほどたった話題のキュウリ味のコーラ。もうみなさん飲みました?
「美味い・マズイ」はおいといて、あれ「キュウリ味」なのかなぁ〜?(別の所にも書いたけど、一切キュウリの成分はふくまれていない人工的な味付けです)
「キュウリ味」って書いてあるから「へ〜そうなんだ」ってハナシで、もし何も知らされて無い状態で「これ何味だ?」って聞かれて「キュウリ」と答えられる人はいるだろうか?
まず「甘いジュース」である時点で「キュウリ」は出てこないと思う。「メロン?スイカ?」と、なんとなく「ウリ系」を思いつくかもしれないけれど。
作る方も多分、色々研究しているうちに偶然出来上がった「名前の無い結構美味しい味」を「コレはイケル!」って事で意外性のある「キュウリ味」にしただけの気がしてならない。「そう言われればわからないでもない」程度。
ようするに「人間の思い込み」みたいなものを利用してるだけじゃないのか。
そもそも「キュウリの味ってどんな味」って聞かれて、的確に答えられる人っていますか?
色や形、歯ごたえは説明できても、こと「味」となると難しい。
「味」と「音楽」は似てないか?
よく、「鬼頭 哲ブラスバンド」は「こんな吹奏楽見たこと無い」みたいな感想や記事の書かれ方をする。
吹奏楽をやっている・やっていた人に見てもらいたい」ってのも大切な事だと思っているので、実際経験者などから、そういった意見をもらうと、まぁ「作戦成功」な部分もあるけど、いつもそんなアンケートや紹介のされ方ばかりだと「またかぁ」とも思ってしまう。
「演奏者のイキイキした表情」だとか「自由でエネルギッシュな演奏」ってのも比べる対象が、コンクールを目指しているような「吹奏楽団」だったり。
もちろん、比べて「良くない」って書かれた訳じゃないから素直に喜んどきゃいいんですけどね。でも「こんなバンドがコンクールに出たら・・・」みたいな書かれ方まですると、ちょっとねぇ〜
たしかに「おカタイ審査員にひと泡吹かせてやれ」みたいなオモシロがり方はわからないでもないですけどね。
それに以前出した「鬼頭 哲のふしぎな日常」って本の中でもコンクールで優秀な成績を取る事が一番の目標で音楽に「勝ち負け」を持ち込むような部活動吹奏楽の弊害みたいな事を書いたけど、あくまで「そういった世界とは無縁なところでのびのびホントの音楽やろうぜ」って事を言いたかっただけで「コンクールや吹奏楽界に復讐してやろう」みたいな事が言いたかった訳じゃないし。
吹奏楽経験者の中には色々シンドイ目にあった人も多いんだろうけど、そういう人達の「逆恨みの星」になるつもりは無いぞ〜!(もちろんやりたい人は自分でバンド組んでコンクールに殴りこみに行けばいいんだけどさ。)
さらに言ってしまえば、俺は「鬼頭 哲ブラスバンド」で「吹奏楽」やってるつもりなんか、これっぽっちも無いんだもん。
まぁ、おそらくここで「思い込みの激しい人」は混乱するかも知れないけどさ。
じゃあたとえば、ギターとベースとドラムって編成のバンドがあったとして、どんな音楽ができるでしょう。
いろんな可能性が考えられますわな。渋いジャズのトリオってのもあるだろうし、激しいロックやものすごいテクニックのプログレや・・・ってキリが無い。
でも「この編成といえばジャズだ」って思い込んでいる人が、「ジャーン」って登場したギター・ベース・ドラムのバンドを見て「こんなジャズ見たこと無い!」ってなるかね?たとえばそれがパンクバンドだった時。
たしかに「鬼頭 哲ブラスバンド」は編成的に吹奏楽団だけどさ、カッコつけた言い方をすれば「ボブディランがギターを手にしたように」みたいに自分にとって一番身近な楽器を使って気心の知れたメンバーと「言いたい事」を言おうとしているだけという。
で、その「言いたい事」ってのは色々研究しているうちに偶然出来上がった「名前の無い結構美味しい音楽」なんじゃないっすかね?
もちろん「偶然」ってのは「まぐれ」って事じゃなくては60年代の後半に生まれて、様々な時代や音楽を通過して来た事が重なった上で「今ここにいる」って俺にしか作り得ないモノって意味で。
さらにメンバーの人数分の「様々な経過」が、これも「偶然」に集まったものが「バンドの音楽」な訳で。
それはもう「吹奏楽」ってカテゴリーの中でコンクールみたいな形で審査員に「良いか・悪いか」で評価されるとねぇ、ちょっと違うんじゃないのか。
そもそも「吹奏楽ってどんな音楽」って聞かれて、的確に答えられる人っていますか?
編成や形式は説明できても、こと「音楽」となると難しい。
っていうか「吹奏楽」自体、音楽の「ひとつのジャンル」みたいに言う事に無理があるんじゃないのか?たしかに部活動なんかの「コンクール吹奏楽」はどの音楽にも属さない異質なものだとは思うけど。
で、やっぱりそういう部活動出身の人が社会人になって、市民吹奏楽団などに所属してもコンクールとは無縁にも関わらず「コンクール吹奏楽」の延長みたいな事をやったりするもんだから、一般の人に「吹奏楽といえば」のイメージができちゃうのかね?「規律」とか「人との和」が大切そうって、すっかり「音楽」の内容とは遠ざかってしまうんだけど。
ま、その辺の「矛盾」とか「人の思い込み」みたいな事を利用したのが、さっき書いた「鬼頭 哲ブラスバンド」の「作戦成功」ってヤツでさ。
ごはんにソースがかかった食べ物と言えば「カレーライス」って思いこんでいる人に「ちょっと変わってるんだけど・・・」って食いモン出してさ。
「こんなカレー食べたこと無い!」「ちょっと変わってるけど美味しい!」って言ってるのをニヤニヤしながら見てるっていう・・・
ハヤシライス出しといて。
でもね、結構本格的な「ハヤシ」をちゃんと出してるんですよ、別に「ダマすつもり」じゃなくて。
だから、そっちの評価をしてくれるとウレシイんですけどね。