レコード屋さんが「どこに置いたら良いんだろう?」と困ってしまう音楽をまとめたコーナーがあったら確実にそこに入るバンド


前から言ってる事だけど「鬼頭 哲 ブラスバンド」というバンド名について。
先日のザムザでの公演をご覧になった皆さんから「鬼頭さんの」「鬼頭君の」と感想を言ってもらえる事が何度もあったので久しぶりに書きますね。
改めて言っとくけど「鬼頭 哲の吹奏楽団」ではないのだ。
「鬼頭 哲の音楽を演奏する管打楽器で構成されたバンド」という事なのだ。
だから、もし俺がそこにいなかったとしても「鬼頭 哲の音楽」をやっているなら「鬼頭ブラス」は「鬼頭ブラス」という事。で、それがたまたま「管打楽器で構成されている」というだけで、いわゆる「ブラバン」「吹奏楽」とは関係ないのだ。
その状態をたとえて言うなら、メンバーにジョンもポールもジョージもリンゴもいないけど「ビートルズの音楽だけを演奏する同じ編成のバンド」があるようなものですね。
あ、あんまり良い「たとえ」じゃ無かったか。
実際、今は俺がリーダーをやってるからややこしいんだけど、デューク・エリントンでもカウント・ベイシーでも「個人名+楽団」で活動してるバンド。元々は本人がリーダーとして存在していたものの、死んでからもその音楽とバンドは存続されている、って感じ。
「誰がやってるバンドか」ではなくて「何をやってるバンドか」っていう。
だから、今は俺が「死ぬ前の状態」って事です。
あ、あんまり良い「たとえ」じゃ無かったか。
とにかく「それしかやりません」という事。
だから、クリスマス時期のライブに来て「クリスマスソングをやって欲しかった」とかアンケートに書かれても、ラーメン屋に来て「ハンバーガーをくれ」って言ってるようなものなのだ。
無理とは言わないし、やれない事はない。でもそれはウチのメニューには無いのだ。
「それならハンバーガー屋に行ってくれ」という話なのだ。
「ウチのやり方」でやれば、どんな曲だって「鬼頭 哲の音楽」とも言えるんだけど。たとえば「元々外国の食べ物だったものを洋食という日本の食べ物にする」みたいに。ただ、余計にややこしくなるから、今はやらない。
あ、あんまり良い「たとえ」じゃ無かったか。
とにかく、その辺がコンサートの時ヒットしてる曲とか、季節ものみたいな曲を取り入れる、いわゆる「吹奏楽団」とは違うトコなのだ。
まぁ、普通「○○吹奏楽団」「○○ブラスバンド」って言ったら「何をやってるか」って音楽の事じゃなくて「どんな楽器で編成されているか」って事の記号みたいなネーミングだもんね。
「ミュージック」ではなくて「サウンド」がカテゴライズされているというか。
大雑把に言ってしまえば「○○大食堂」みたいなもので「とにかく喰いモン屋です」みたいな。
そういうのが当然だと思ってる人にとっては、ウチみたいに「これしかやりません」ってオリジナルでやってるのは変わってるんだろうね。
で、最近ウチのバンドを知った人も増えてきているんだけど、以前と比べて圧倒的に「吹奏楽関係者」や「管楽器経験者」ってのが少ない。
ウチのバンドは管打楽器で編成されているものの、やってる音楽はいわゆる「ブラバン」とは程遠い。
ただ、最初のうちの「とっかかり」みたいなもので、吹奏楽をやってる人達をメインターゲットにコンサートをやったりしてたのだ。実際メンバーの中には、そういったフィールドへのアピールに長けている「有名人」も多く、雑誌に取り上げてもらう時の食いつきや「音」を聴いてもらうまでの「見てくれ」だけでのわかりやすいカテゴリー分けとして「変わった事をやっている吹奏楽団」といった「吹奏楽寄り」の目線からの「売り」もありかな、と。
でも「音」を聴いてもらうと、それは違うってのがわかる訳で、ウチはみんなが普段慣れ親しんでいるロックなどのいわゆる「普通のバンド」が「吹奏楽みたいな編成でやってる」だけなのだ。
で、おかげさまでと、いうか最近はジャンルを限定しない「音楽ファン」のお客さんが増えて来てるみたいで、非常にうれしい。
で、そういったお客さんは「ラーメン屋に来てハンバーガーをくれ」みたいな事は言わないのですね。
バンドがオリジナル曲をレパートリーにしているは当たり前だと思ってる訳ですから。
ところが、というか逆に、というかアンケートやブログの感想に「初めてブラスバンドを見たけど、結構おもしろかった」といった意見も増えてるのであります。
これは、おそらく中学や高校時代、あまり接点の無いクラスメートがやっていた、音楽室から聴こえてくる「食わず嫌い」だった「謎の音楽」に初めて遭遇した。という事だと思うんですが・・・
それとは違いますから!
「お蕎麦屋さんのカレー」を食べて「これがカレーなんだ」って思っちゃうようなもんです。
あ、あんまり良い「たとえ」じゃ無かったか。
「もっと早くブラスバンドの音楽を知っていれば」って・・・
学校の音楽室ではこんな事やってませんから!
本場インドに行ったらもっと美味しい「お蕎麦屋さんのカレー」があるわけじゃないですから。
あ、あんまり良い「たとえ」じゃ無かったか。
極めつけは「鬼頭さんのブラスバンド吹奏楽の魅力にハマッた」って・・・
俺のバンドでもないし、吹奏楽でもないですから!
結局、吹奏楽寄りの見方をしても、一般的な音楽ファンから見ても「鬼頭 哲 ブラスバンド」って名前は「カレーハウス鬼頭」という意味合いで取られてしまうのか?
本格カレーを知りつくしてる人にとっては「邪道のカレー」で、カレーをあまり知らない人が「カレーと言えば」で思い出す店。
なんだか「CoCo壱番屋」みたいだなぁ。
あ、これはヒドイ「たとえ」だね(ていうか、失礼)
なにかわかりやすい「たとえ」は無いかね?ウチのバンド。