俺ですか?

bousisensei2008-05-04


何故か、人によく話し掛けられる。
それも、結構年配の人が多いんだけど、電車なんかでケースを指して「それは楽器ですか?」なんてのは、もう日常茶飯事。
その次に多いのは、信号待ちをしている時とか地下鉄を出て地上に上がった所なんかで「あの〜」と。
ようするに、道を尋ねて来るわけなんですが。
周りに誰も人がいないってならわかるんだけど、どのシチュエーションでも決まって周りに大勢人がいるのですよ。
もちろん、聞かれた事に対してはわかる事をわかる範囲で丁寧に答えるんだけど、心の中では
「え?俺ですか?」って思っちゃう。
なんだろう?
周りにはネクタイをしたサラリーマン風の人やら、利発そうな女性などいくらでもいるのに。
そんな中、俺はけっして「話しかけやすいタイプ」ではないと思うのだがな。
実際、ライブなどに来てくれるお客さんと仲良くなったりすると、実は前から見に来ていたんだけど、なかなか話し掛けづらくて・・・みたいな事もよく言われる。
「そんな事はないぞ」と言いたいところだけど。でも、なんとなくそっちのハナシの方がわかる気もするんだよな。
で、今日も夕方スーパーに行ったのですよ、買物に。
魚コーナーを物色していたら、突然60過ぎぐらいの男性が「これ生?」とくじらの切り身(写真)を俺の顔の前に「グイッ」と出してきたのだ。
「あの〜」も「すいません」も無しに、ホント突然。
言っておくけど、いわゆる「オカシナ人」では無いのです。電波がキテルような。
で、俺は内心「なんだ?なんだ?」と思いつつ「質問の意図」を考えて「正解」を導き出そうとしたのです。パッと見、随分黒っぽいから火が通ってると思ったのか?とか。
それで「生ですよ」って答えたら「生で食べれるの?」と。
(あぁ、しまった!)と思いつつ「いや、なにか調理しないと刺身では食べられないと思います」と。
で「焼くのが一番簡単だと思いますけどね〜」って言ったら「割と火を通さなくても大丈夫か?」って。
「歯が悪いから、あまり硬いと」とか「牛は何とかイケルけど、豚ぐらいだと硬くてダメ」(おそらく、いつも牛はレア気味で食べてて、豚はよく火を通して食べてるって事なんでしょう→つまり火を通した肉は硬いという思いから「レアが可か?」というのが重要なポイントなんでしょう)とか、いろいろ言うわけですね。
で、まぁ「火はある程度通した方が良いんじゃないですかね」とか「少し包丁なんかで叩いてみたら良いんじゃないか」(って言ったら「歯の方で?」って聞くんで「いや背の方で」なんて返したり)などと、結構長い時間話してしまった。
結局「くじらでこの値段って安いよね」と「よし、買ってみるわ!」とカゴに入れて行ってしまったワケです。
なんか、ものすごくヘンでオモシロイ話じゃないですか?
夕方の結構な人出のスーパーで。
あえて、グラサン・ヒゲ・ピアス・アロハ・帽子の俺に。
事細かに「くじらの切り身」の説明を求めるおじさん。
なんだそれ?!
しかし、丁寧に答えたものの、全部「おそらく」の話。
買って帰ったものの、やっぱり食べられなかったかもしれない。
「たぶん」なんて前置きをつけた話しをするぐらいなら「わかりません」「知りません」って言うべきだったのか。
う〜ん
と、気になったので同じものを買ってみた。
明日、おじさんにオススメした調理法で喰ってみようと思って。
結局、昨日の話に対する答えを自分で出したような形なんだけど、自分が知っている事を人に聞かれるというのはウレシイ話なのだ。
自分が何かの役に立っていると思える事が出来る瞬間と言うのが、一番自分の「存在意義」を感じれる時なのだ。
でも、やっぱりそれは「確実なもの」でなくては意味が無いということ。
正月に立てた目標を実現できてないぞ、俺。