オヤジが歌うな

bousisensei2008-07-20


「国民的」かどうかは知らないけど、話題騒然ではある「崖の上」
映画の公開が昨日だったので「今話題」だけど、この曲のCD自体は昨年末に発売されていたそうですね。
俺も最初にテーマ曲を聴いたのはテレビでやっていた映画の予告編だったと思うんだけど、いわゆる「久石節」とでも言うのでしょうか?
キャッチーで明るくって「上手いことやるなぁ」って曲。
あえて悪く言うなら「あざとい」とさえ思えるぐらいに「万人ウケ」間違いなしの名曲だと思います。
で、俺が最初に聴いたのは「のぞみちゃんデモ」というバージョンだったみたいですね。
これです。

なるほど「デモ」というぐらいで、おそらく「こういう風に歌うんだよ」ってお手本を聴かせてワンテイクとかツーテイクで録音したような雰囲気。
ま、普通なら作曲家がプロデューサーなんかに「こんな曲です」って聴かせるものであって、一般的に日の目を見ることが無いバージョンだと思います。
で、しばらくして映画の主題歌として使われる「本チャン」のバージョンを聴いたのです。
デモ・バージョンを聴いた宮崎駿の希望で本番も歌う事になった「のぞみちゃん」は、デモと同一人物とは思えないような・・・
事細かな歌唱指導や、元々書かれていた旋律を彼女に合ったニュアンスに変更した後までうかがえるような立派な出来栄えになっていたのです。
う〜ん、まぁこれはヨシとしましょう。
「上手い=おもしろくない派」としては、かなりガッカリなんですけど。
で、「父と娘が一緒に歌ってる感じ」という事でジブリ藤岡藤巻とあわせて歌う事になったみたいなのですね。
う〜ん、まぁこれも「主題歌=商品」として考えれば、プロデューサー的にはアリなんでしょう。
ただ、もうこの時点で「のぞみちゃんデモ」の水晶のように透き通った「名曲の輝き」は全く無くなってしまったような気がします。
極めつけは、父役・娘役のパートの割り振り。
この曲って「ポーニョ・ポーニョ〜」ってリフレインが印象的で、そこが一番耳に残るメロディだとは思うんだけど、やっぱりなんといってもサビの最後の「あの子が大好き」って3小節が最も胸がキューっとなる「聴かせどころ」
イントロがあって、歌い出して・・・って組み立てはすべて「その3小節の為」といっても過言ではないのではないか?と思うのです。
ところが、あろうことかそのパートを「父役」が歌う!
歌詞的に考えてもあきらかに不自然。
どんな事情があったかはわからないけど。
最後まで「のぞみちゃん」が上手に歌えなかったのかもしれないけど。
それでも、プロデューサーもしくはディレクターの判断は間違ってると思う。
この「3小節のミスチョイス」で名曲はタダの「駄作」に落ちぶれたと言っても良いのではないか?
まぁ、聴いてみてよ。

一応、2コーラス目は「のぞみちゃん」が歌ってますけどね。
順番としては絶対1コーラス目から聴く訳だから「ガッカリした分を挽回する」ぐらいにしかならないのです。
せいぜい「駄作がそこそこ良い曲」に聴こえる程度。
なんで、こんな事になったんだろうね〜?
たぶん、作曲家本人とか関わってる人の中に俺と同じように思ってる人がいるんじゃないかと思う。
だから、本来なら「日の目を見ることが無い」デモ・バージョンがシングルに収録される事になったんじゃないのかなぁ?
「ホントはこんなに良い曲だったんですよ!」
ってみんなに知ってもらいたいんだと思う。
それに、映画の予告編にだって「本チャンの主題歌」じゃなくて「デモ・バージョン」が使われるのって、やっぱりヘン!
映画の関係者だって、誰も「本チャン」なんか好きじゃないんじゃないの?

本日大いに参考にしました→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B4%96%E3%81%AE%E4%B8%8A%E3%81%AE%E3%83%9D%E3%83%8B%E3%83%A7_%28%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB%29

それから、映画も観に行ってみたくなりました→宮崎駿のアヴァンギャルドな悪夢: たけくまメモ