宅録今昔物語

bousisensei2009-01-20


宅録」なんて書き方をすると、一部の凝り性やマニアが機材を買い込んでチマチマやっているような印象があるんで、あんまり好きじゃないんだけど「自宅録音」の事ですね。
たとえば、誰もが子供の頃にテレビの主題歌を録音したりした事はあるでしょう。
俺とか、もう少し下の世代まではラジカセをテレビのスピーカーの所に近づけて「ちょっと静かにしてて!」とか言って録音したり。
実際に自分や家族が歌ったものを録音したり、ディスクジョッキーの真似事をして自分のラジオ番組を作ったことがある人もいるでしょう。
我が家も例外ではなく、俺がまだ幼稚園も行かない頃からの歌とか録音したカセットテープがたくさんあります。
で、それに加えて父の仕事や趣味の関係で「カセットデッキ」が何台も家にあったので、兄などはピンポン重ね録りをしてリコーダー何重奏なんて事もしていたり。
当然、俺もそれを真似て小学生ぐらいから「多重録音」でいろんな事ができるという事を知ったのです。
中学に入ってすぐかに、単音のシンセサイザーを買ってもらってからは特にどっぷりハマリましたね。
そうこうしているうちに、カセットテープでも4トラック同時録音とかが可能で何台ものデッキを使うよりずっと便利でクオリティの高いことが出来る機材がそこそこ値段で買えるようになって。
ただ、その頃にはバンドをやっていたので、熱は多少冷めていたのですが、デモテープを作ったりと身近にいつも宅録はあったのです。
で、大人になってスタジオで録音をするようになって。
最初の頃はオープンリールのテープレコーダーがドーンと回っていたのですが、自分が小学生の頃やっていた事の最終型がこれか!と少し感動したのを覚えています。
なんせ、宅録から「宅」が取れたモノホンの「録音」ですから。
「いやぁ、やっぱりスタジオは違うね!」という圧倒的な差を見せ付けられたという。
その後も機材の進歩はすごくて(その過程での様々なエピソードは長くなるので省略します)特にアナログからデジタルへの転換やパソコンの普及であれよあれよと言う間に・・・
数年前まではスタジオでしか出来なかったクオリティの事が「宅録」でも可能になったのです。
これはもう夢のような話で。
小さな頃にカセットデッキの前で歌ったこと、中学生の頃に夜なべしてピンポン録音したこと、20歳の時に4chのマルチトラックで作った「秋の足音」のデモテープのこととかを思い出しながら、セットアップした最新の宅録機材で「スゴイなぁ」と半ば感動しながら試し録りをしていたら・・・
電話がプルルっと鳴って!
この辺りは「ちょっと静かにしてて!」って昔とな〜んにも変わってなくて、大苦笑してしまったのでした。
(たぶん、明日もこの話の続きです)