なぞなぞ商会

bousisensei2009-06-05

例によって、名前でネット検索する「自分探しの旅」をしていたら20年ぐらい前に「なぞなぞ商会」の、それも俺の「ファンだった」という人のブログに「最近になって当時のライブ映像を見た」って日記があった。
どうも、その人は俺が高校生の頃に学内の友人とやっていたバンドが学校出て一年目の19歳の頃に再結成した時のイベントを見て、俺のファンになり、当時参加していた「なぞ商」を知り、ハマッていったようで・・・
当時、俺にファンがいるなんて思ってもみなかったし「俺キッカケ」で「なぞ商」のお客さんになった人がいるなんて、ちょっとビックリ。
というのも、今年でなんと結成30年を迎える(現在は活動停止中)老舗バンドで、俺が参加していたのは実質的に活動していた12年の内の最後の4年間(たしか)
未だに当時を知る根強いファンや活動休止後にその存在を知った人たちの間で熱く語り続けられる「伝説のバンド」でもあるのです。
実際「なぞ商」は結成当時から結構注目されるバンドだったみたいで、名古屋を中心に活動しながらも雑誌に取り上げられたり、東京ツアーでは満員になったり、レコードを出したり・・・
今で言う「インディー・シーン」の中ではトップクラスの認知度のあるバンドだったのです。
考えようによっては「大抜擢」というか、たいしたキャリアも無い頃にスゴイバンドに誘われたもんです。
ただ、途中リードボーカルの事故入院で1年間活動休止となり、その後はツアーや学祭に出ることもほとんどなくなり、言い方は悪いけど「過去の栄光にすがった活動」を名古屋の老舗ライブハウス「ELL」で細々と続けていたのです。
俺が加入したのは、その頃。
だいたい、元からいたメンバーは俺の一回り上ぐらいが中心だったから「アラサー」ってやつで、ハタチそこそこで始めたバンドも「そろそろ」って時期だったと思う。
誘われたのは失速気味の活動への「テコ入れ」みたいな意味合いもあったのかなぁ?(同時加入したのは今KITO,Akira BrassBand!でもパーカッションやってる丸市さん)
それでも「失速気味」とは書いたものの、毎回ライブは立ち見ギュウギュウの満員で「新規」のお客さんは増えてなかったにせよ、8年間の活動で積み上げたものはスゴイなと、ちょっと緊張したもんです。
だから、俺目当てのお客さんがいたなんて、その当時は思ってもみなかったわけで。
しかし、何故当時それを言ってくれないかなぁ?「ファンでした」っていうのはよくあるけど「ファンです」ってめったにないのな。
で、やっぱり最期の4年間は「衰退期」でもあったみたいで、ミクシィの「なぞ商コミュニティー」でも、ほとんど話題にあがることもないんだけど、白川公園でのテント公演とか、たまに話が出てきてはいる。
もともと「パーフォーマンス性」を重視して、それが「ウリ」でもあったバンドだったと思うんだけど、俺が加入してからは「演奏性」を重視していたんじゃないかと思う。
それは、結成当時まだメンバー全員が若かった頃「勢い」で乗り切っていた事への反動だったり「ちゃんとした事をやりたい」と思うようになるってのはバンドをやる上で当然向かう方向でもあると思う(モチロンその頃も毎回台本はあって曲目以外にセリフやらコントなどパフォーマンス性にも充分富んでいたけど)
でも、それが余計にバンドを終焉に向かわせてしまったんだろうなぁ。
今、考えれば「分をわきまえてない」というか。
そんなに難しい事やろうとしない方が良かったんじゃないだろうか?
長くいるメンバーを脱退させたり(理由「ヘタ」←何様だよなぁ)
で、そういう事してると、お客さんも離れていくし・・・
活動休止前の最後のライブ〜最後のミーティングの流れの事や雰囲気は今でも鮮明に覚えている。
俺も若かったからな〜
ヒヨッた事を言ってる年長のメンバーに向かって「音楽なんかやめちまえ!」とか言ってねぇ・・・
で、「やる気のあるメンバーだけで」と5人でバンド立ち上げて・・・今、考えるとホント誰の為に音楽をやっていたかって疑問。
今の俺だったら絶対「キミは間違ってる」と言うと思う、22歳の俺自身に。
でも、なんとなくそれはわかりかけていた時期だったのかも知れない。「音楽は誰のため?」っての。
ただ、その時は自分が言いだした事を引っ込める勇気がなかったんだと思う。
だから、今はあの時活動を共にする事を選ばなかった紫さんや、その前に脱退したパン助さんの気持ちもわかるような気がするし、また一緒に演奏する機会があったらなぁ、と思う。
残念ながら、新バンドに来なかった人は、それ以来現役での音楽活動から離れてしまっている。
5人で発足したバンドもすぐに新しいギタリストが入って6人体制となり、合宿やレコーディングと活発に活動していたけど、発起人のひとりでもあるのに俺は辞めてしまった。
それは、今に続く「音楽は誰のため?」に対する意見の不一致というか。
俺が抜けた後もしばらくは5人でバンドは続いていたみたいだけど、最後は3人になっていたなぁ。
2人が脱退した理由はわからないけど「なぞ商」がポシャッた時と同じような理由のような気もするんだけどなぁ。
その証拠というか、その2人も現役から足を洗ったみたいだし。
3人になった最後期の頃に一度対バンした事があるんだけど、ストイックに鬼気迫る良い音楽だと思った。
ただ「そこまでせんでも」という思いは変わらない。実に内向的な音楽でもあった。
あれは何年ぐらい前の事だろう?2002年か3年か、とにかくそれぐらい前のはなし。
で、それ以来リードボーカル豆千代さんも、とうとう現役から離れてしまった。
で、一昨年か一昨昨年に豆さんとミクシィで再会して、現状の報告をしたり、俺の今やってるバンドの音源や本まで買ってもらったり。
それとは別にベースのよしりんさんがライブに来てくれたりとしている内に「豆さんと新しくバンドを始める」という話を聞いて。
「いいなぁ」と心の底から思った。
「混ぜてもらえないかなぁ」と。
もちろん「そのまんま」って事はないにせよ、きっと豆さんは「なぞ商」に回帰するような気がした。
ちゃんと、集まったお客さんが大喜びするような音楽をやるに違いないと思ったのだ。
で、先月そのバンド「豆異℃」のデビューライブが名古屋であった。残念ながらこちらも演奏があったので見に行く事はできなかったけど、YouTubeなんかにライブ動画がいっぱい上がっていて・・・
なんかね、もうウレシクなっちゃいました。
「おかえりなさい!」と言いたくなるような。
それと同時に「二度となぞなぞ商会の再結成は無いな」と少し寂しい気も。
だって必要ないんだもん。
でも、これで豆さんとの関わりはいつまでも「元なぞなぞ商会」という未練ったらしいこと言ってないで「豆異℃のファン」として生きていく人生ができたってことで。
豆さん、お互いずっと現役で音楽を続けましょう!
そのうちどこかでまた一緒になるハズですから。