昨日の今日でなんだけど

俺、好きそうでしょ?

ちょっと「ラーメン」の話を。
吉祥寺に前から「気になる」ラーメン屋っていうか「街の中華定食屋」みたいな店があって。
これまでも、何度か店の前は通ってるんだけどタイミングがあわなかったり「なんとなく」入り辛い雰囲気だったり。
で、今日はわりと「そっち方面」に行く用事があったのと、猛烈に腹が減ってるという「タイミング」と・・・そして何より近年手にした「ラーメンに関して記述してる読み物」の中で最も信用がおける本に「美味しいよ」と書かれていたので「一度、喰ってみたいなぁ」というのもあって、思い切って行ってみたのです。
まぁ、その「信用がおける本」ってのは今年の正月にここで紹介したコレ(→2009-01-02 - うさぎのえさ)なんですけど。
で、その時も散々書いたんだけど、さらにこの本について。だから多少内容はカブリます。
とにかく、この本は「最新版」みたいに書店に次々とならぶいわゆる「評論家やラーメン王」と言われる人が「今、この店が」と流行の店を紹介するような内容ではないのです。
で、巻頭にこの本の「基本姿勢」みたいな事が書いてあって・・・

もちろん人の好みは千差万別だ。その好みの多様性を十分に理解したうえで、ラーメンの味わいを、店の在り様を、ラーメン好きのふたりがニュートラルな気持ちでラーメンに向き合って、語り合い、書き合った。

と、ある。
長らく、この「うさぎのえさ」を読んでる人なら、俺が「信用」という言葉を使う事に「あ〜なるほど」と納得できるんじゃないですか?
というか、まるで俺の考え方がこの本の「受け売り」みたいだけど、断じてそうではないです!「同じような事」を考えている人がいるだけ。
で、この本は「今、この店が」と紹介されている店などに実際行ってみて「どうか?」という事を書くということを主体としているのですが、その点では俺が食に関して「信用できる」別の本。椎名誠さんの「全日本食えばわかる図鑑」や「麺の甲子園」と同じなのです。
「実際、自分で食ってどう思ったか」
だから「美味しいことは美味しいけど、なんでそんなに高評価なのかわからない」みたいなことも書かれている。
「チャーシューは柔らかいのがイイっていう風潮があるけど、どうなんだ?」とか。「流行ってる要素」を取り入れる事で「バランスを失った味」について語るというのは、数ある「ラーメン本」の中では珍しい。
麺の固さやスープの濃さ、油の量が選べる最近流行のタイプの店を「選べるんじゃなくて、選ばなきゃいけない」っていうのには「そうそう!」と思った。
「これがウチのラーメンってのを出してくれればいいじゃん」ホントそう思う。
最も辛辣なのは「店の姿勢」についてであって、店員が声を揃えて大声を張り上げるようなサービス(?)を「客に向いたサービスではない」と批判する。
店主の「こだわり」などで、お客さんが恐縮しながら食べるような店を批判する。
それから「麺は固めが通っぽい」などと思ってるお客さんの事も「一億総固め」と批判する。たしかに何度も通ってる店で「この店はちょっと固目が美味しいな」と思えばそれもアリだろうけど、はじめて行く店でそんな事いうのは「味盲」と変わらない。
これは、俺もちょっと耳が痛いんだけど、さっき書いたような「選ばなきゃいけない店」でズーッと聞かれるたびに「固目で」って言ってたんだけど、ある時めんどくさくなって「全部普通で」って言ったら、その方が全然美味しかった。
ま、そりゃそうだわな。その店が「一番美味しい」と思って出してるのが「普通」なんだから。それ知らずに「好み」を言うのはオカシイ。
あと、最新流行の店ばかり取り上げて、長らく変わらない味を出し続ける店を「あの店は終わった」などという評論家やラーメン王に「なにを言ってるんだ!」とも書いている。
その代わり、自分が長く通ってる店が流行ってる店の要素をあれこれ取り上げて味を落とす事については「終わった」とも書いている。
ま、とにかくそんな本です。
で、その中で「長らくこの地で愛されてる理由がわかる」という一杯たった350円のラーメンを今日食べたのです。
俺が思う「いい店」の条件に「人を連れて行ける店」ってのがあるんだけど、また一軒そんな店が出来ました。
当然、そういった店は「どこどこで紹介されてたから」ではなくて、自分で食って美味かった店。
「ね?いい店でしょ」と自信を持ってオススメできる店。
「味どうこうは置いといて、とにかく鬼頭が好きだっていうのはわかる」むしろ、それがわかって欲しくて連れて行くってのもあるかもしれない。
人に何かを紹介するって、自分の世界観を相手に知らせるようなもんですからね。「ブレ」のない「一本筋が通ったもの」がないと恥ずかしい。
無理矢理こじつけると、音楽も同じじゃないか?
「君の好み」はとりあえず置いといて、俺が「おもしろいよ」というコンサートを「鬼頭の世界観」を垣間見るような感覚で来るってのはどうよ?

オススメです!
普段ここで書いてることなんかが全部「なるほどな!」と繋がるブレがない「俺ワールド!」
KABB! schedule