客が決める

あぁ、良かった。

KITO,Akira BrassBand!コンサート「アワーミュージックアワー」の本番を名古屋市「千種文化小劇場」で。
ちょっと前にコンサートの事を「パズルのピース」にたとえた話を書きました。
実際、コンサートを開く場合、会場とする場所にはじまって、チケットの料金やプログラムや演出・構成・・・とにかく様々な「パズルのピース」について、考えて決めていかないとイカンわけですが。
唯一、俺たちが「決められない事」があって。
「良いコンサートかどうか?」という点。
これだけは、自分達がどれだけ自信を持って満足したとしても、集まってくれたお客さんが「No!」と言えば「良くなかった」ということです。
そういう至って「あたりまえ」でシンプルなことが実感できたコンサートだったんじゃないでしょうか?メンバー・スタッフ、関わった人全員。
世の中にはいろんな音楽があって、そのどれが「一番」という事はなく、それぞれがスバラシイ音楽だと思ってます。
ただ、たとえばメンバーの中で若いフルートの坂元さんやクラリネット葛島さんのような「現役の音大生」といった人達は、普段練習室にこもって楽譜と向き合いながら「良い音楽とは?」と自問する事が多いんだと思います。
たしかに、そういった事を追求するのも大切かもしれません。でも「良い・悪い」は結局、聴いた人が決める事だと思うのです。
だから「逆に言うと」じゃないけど、よく楽団が演奏会をする時に、最後のリハーサルで「できる事はすべてやり尽くした」みたいなことを言ったりするけど、あれ違うと思うのです。
「良い音楽」「良い演奏会」にするチャンスは、お客さんが会場を後にする瞬間まであると思うのです。
もっと言えば、帰り道にジワジワ効き目が出るような方法だってあるかもしれない。
いつも言ってることで「オンガクってのは音で楽しませること」ってのがあって。
で、それは小手先の器用な楽器のコントロールとかそんな事よりも、まず「伝えたい事」や「表現したい事」ってのがあった上で、全身全霊を込めてやんないと「楽しませる」ってのは無理な話で。
で、それが出来てない物は「オンガクではない」ということで。
あえて楽器を手放した状態で、ステージの前に出て行って。手拍子や足拍子でお客さんをあおって。
ホントに「楽しそう」にしているお客さんの表情が見れて。
これも、よく言ってる話なんだけど「メンバーに見せたい景色」ってのがあってバンドをやってるんだけど。
「今、お客さんを楽しませてるんだ!」ってあの時ダイレクトに思ってもらえたら、とてもウレシイ。
カッコ悪くても、ウマくできなくてもいい。手拍子・足拍子は目的じゃないんだから。
目的はあくまで「楽しませる」でその手段が「手拍子・足拍子」なわけで。
楽器の演奏についても、まったく同じ。
コンサートのお手伝いにも現役で楽器の勉強をしてる人達が来てくれていて、交代で会場に入って演奏を見てくれたみたいだけど。
先輩音楽家の技術に耳をかたむけ、目を見張るよりも。
俺たちが見てる「景色」を一緒に見たほうが、これからの音楽家としての活動のプラスになったんじゃないかなぁ〜
今回、アンコールでタカシ君に歌ってもらった歌詞は、最近作ったものだけど、ホントにいつも心から思ってることです。
とにかく、満員御礼で集まってくれたお客さん、関わった全ての人に感謝します。

うたをうたおう
                    
きっとどこかで 出会えるはずの君や
いつも一緒にすごす仲間達にも
「うれしいんだ」って気持ち
「たのしいんだ」って気持ち
うまく伝えられない



遠い所へ旅立っていく君や
二度と会えないかもしれないあなたに
最後に別れのあいさつがしたい
だけど言葉が出ない



だからメロディにのせて
「ありがとう」の
うたをうたおう


ラララ・・・



2009 KITO,Akira All Rights Reserved

「良いコンサート」にしてくれてありがとう!