大事な話を忘れてた

昨年12月に飛行機の「機内持ち込み手荷物」に対する規制が「さらに」厳しくなりました。
http://www.jal.co.jp/other/info2009_1015.html
ホント、これじゃあちょっとしたカバンしか持ち込めないじゃないの!
そんな「まいったな〜」ってニュースを見てたら、それを見計らったように「来年、KABB!で北海道行けるかも!」という知らせ・・・
「呼んでもらえる」「行ける」はウレシイ!でも「楽器がなぁ〜」というのが、その瞬間から悩みのタネだったのです。
で、先日ピットインに行ったら、楽屋に署名の用紙が置いてあって・・・(HPか何か無いものか?と探したけど見つからなかったので全文リライトしました!長いけど読んで!)

「楽器の機内持ち込み制限緩和」署名のお願い

趣旨
2009年12月1日より航空各社は機内持ち込み手荷物の規制を強化し、厳格な運用実施を開始しました。航空会社が規制強化に踏み切った理由は、機内持ち込み手荷物の増大により機内において収納することに時間がかかることによる航空機の遅延と言われていますが、常に楽器を携行する音楽家にとっては、今回の機内持ち込み手荷物の規制強化は大きな打撃となっています。

つまり、今回の規制強化によって演奏家自身が日常愛用している楽器を、従来どおり機内に持ち込み扱いする事が困難となり、今後は貨物扱いにするか、或いは楽器用の座席を別に購入することを要求されることになります。音楽のジャンルや楽器の種類にとらわれず、多くの音楽家は愛用の楽器を常に携行しているケースがほとんどです。音楽家は自分の分身ともいえる(命の次に、いや命と同じほど大切な!)楽器を「人任せに」預けるということは絶対しませんし、ましてや、貨物と同様の扱いなどは、到底、耐えられないことですから、規制強化で、音楽家はその対応に多大な困難を抱えてしまっています。

今回の規制強化に際し航空会社は安全に保管収納できるケースを用意してるということですが、(全日空コントラバスと、その他の楽器用の小型ケースを用意、日本航空は従来どおりコントラバス用ケースのみ)楽器のサイズ、形状は千差万別であり、それら全てに対応する事は不可能で、すでに貨物室に預けた楽器が破損した例もあり、音楽家は飛行機の移動に神経をすり減らしています。それ程、大事な楽器なら、自身の席とは別にもう1席分購入せよという事になりますが、これは音楽家にとっても、音楽家を招聘する側にとっても大きな負担増であり、その経費の増大はコンサートの開催そのものに深刻な影響を与える事に繋がります。
例えば、4人で移動する場合は往復8席分の負担増ですし、オーケストラのような大編成移動となれば、その経費の増大分は莫大な金額となり、公演実施さえも困難になりかねません。日本における音楽界は、一部の例外を除けば、決して経済的に豊かではないのが実状で、こうした対応は、日本各地で演奏活動をしている音楽家から、演奏の機会を奪うにも等しいものなのです。

今回の規制強化によって音楽家&音楽関係者は航空移動を避けて、地上ルートでの移動を選択することが増えるでしょうが、これは大きな時間のロスでもあり、音楽業界にとっては、新たな難題が起きることは必至です。【※鬼頭注・原文には「必死」とありましたが、さすがに・・・】更には沖縄圏や北海道圏など、殆ど航空機での移動手段しか持たない地方への移動は破壊的な打撃を受けますから、日本における音楽文化が必然的に衰退する事も懸念されます。

これは何も音楽業界だけでなく、他のジャンルの芸術文化団体でも同様の事態が発生しており、規制強化による影響は日本の芸術文化全体の発展を停滞させることになりかねません。

今回の規制強化によって困難な事態に直面している音楽家、コンサートの主催者などの音楽関係者がとても多いことを鑑みて、この度、航空各社が実施している手荷物規制の厳格化に反対署名を募ることにいたしました。

◎基本的要求事項
楽家自身が持てる楽器(コントラバスなどの一部の大型楽器は除く)は機内持ち込みを許諾する。その際、座席上部の収納スペースに入らないサイズのものは、特例として専用スペースを設けるか、他の乗客の迷惑にならない範囲で、搭乗者自身の手元か足許に置くことが許される。また、空席がある場合はそれを利用する事が許され、その空席を利用する料金は無料とする。

以上、ご賛同いただける多くの方々のご署名をお願いします。
2009年12月21日
005-0018
札幌市南区真駒内曙町1-1
The meeting of musicians having economic difficulty 事務局  川村年勝
(経済的困難を抱えている音楽家たちのミーティングと云う意味です)

まぁ「言い回し」には多少「ん?」って部分も無いではないのですが、言わんとすることはわかる。
用紙にはピットインを訪れた日本ジャズ界の「そうそうたる顔ぶれ」の署名が。
俺は、といえば。
今回の規制強化以前から、機内持ち込みが困難な大きな楽器をやってるせいで「何をいまさら」という気もするのですが・・・もう、あきらめて結構「預け」てます。
そうはいっても・・・
【音楽家は自分の分身ともいえる(命の次に、いや命と同じほど大切な!)楽器を「人任せに」預けるということは絶対しませんし・・・】この部分は非常に耳が痛いというのはありますが。「飛行機に乗る」という事に対してのストレスは人事ではありません。
実際、荷物カウンターで「機内持ち込み」の交渉はいつもだし、ロシア・シベリア行きの国内線では「絶対ヤバイだろう?」と機内に持ち込んだものの、結局置く場所がなくて、ずーっと足の間に挟んで乗って。テーブルが出せないから機内食が一回も食べられなかったなんてこともあるのです。
まぁ、それはガマンしましょう。楽器は自分で守るしかないもん。
しかし、今回の規制強化で「交渉の余地」すらなくなった!
やっぱり、この文章で一番気にかかるのは
【音楽家を招聘する側にとっても大きな負担増であり、その経費の増大はコンサートの開催そのものに深刻な影響を与える事に繋がります。】
ということ。
「呼ぶ事を躊躇される」ってのが一番困る。
それに、今回KABB!で行く事が決まった遠軽のような「いちファンの熱意」で実現するような企画。
それを「思いとどまらせる原因」にだってなりかねない。
オーケストラの楽団員でもあるKABB!のチューバ吉野さんは「今後、楽器の運搬に対して招聘元が便宜を尽くすのは当然になってくるだろう」みたいな事を言っていたけど。
大手のプロモーターがらみならまだしも「いちファン」に「あたりまえ」みたいな要求って、できないよなぁ。
この「署名」を集めている事務局の川村さんという人も元々東京でジャズイベントのプロデュースをしていた人で、現在は札幌に移ってイベントやCDのプロデュースをしているという「呼ぶ側」なわけですよ。
楽家以上に「お金にシビア」にならざるをえないという立場なわけで。
他にも札幌には「キコキコ商店」のように旅費を保証した上でのライブを企画してる店はあって「やめてしまう」なんてことは無いにせよ「回数を減らさざるを得ない」なんて事態にも。
元々「持ち込めない」という類の荷物なら、しかたないと思いますが。
今まで「持ち込めていた物」がダメというのは納得がいかない。
それも「飛行機が遅れるから」という理由。
たしかに、離陸直前に乗り込んで「置く所がない!」と騒ぐのはいけないと思うけど。
昨年、北海道に行った時は、トロンボーンの高橋ヤスくんとカウンターで交渉して「搭乗開始10分前に必ず飛行機に乗り込んで、まず収納のスペースを確保する」という条件で機内持ち込みが許可されたということもあります。
二人とも「たばこ吸い」だから、ホントは離陸直前の「搭乗締め切り」までロビーにいたいわけですよ。
でも、それぐらいガマンするわけです。
それほど、楽器の運搬のことってストレスなんです。
是非是非、みなさんも「署名」にご協力願いたい。
「自分は小さな楽器だから別に」という人。
メンバーに大きな楽器の人がいたら、結局あなたの仕事も減るんですよ。
「楽器やらないから」という人。
でも「聴く」ぐらいはするでしょ?その機会が減るかもしれないんですよ!

用紙のダウンロードとかできないみたいだから、各々事務局に問い合わせて用紙を入手してください!
メンドクサイとか言わない!