ワタシと東京のラーメン

bousisensei2010-08-10

東京のラーメンとの最初の印象的なエピソードは21歳ぐらいだったかな?
もちろん、それまでにも何度か東京に来てたんだけどラーメンについて思い出すことはない。食べてたかどうかも記憶にない。
大学に進学して上京した友人の家に遊びに行って泊めてもらうことになって。渋谷だか新宿だったか・・・下北だったかもしれないんだけど呑んで、最寄の駅まで帰って。
「ちょっと腹減らない?」って話になって「駅前になんか行列ができる店がある」って。
時代はすでにラーメンブームで、名古屋に居ながらも「荻窪ラーメン戦争」なんて話題は耳にしてたから「行列のできる東京のラーメン屋ってどんなんだろう?」と楽しみにしていったのですね。
で、入って。まず値段に驚いた!一杯1000円!!!
まだバイトの時給が名古屋なんかでは500円とか600円の時代ですよ。ケタが違う!
で、味の記憶。
量が多い、脂っこい、熱い・・・なんか味しない。
「全然美味しくない!」と思った。
それが俺の「東京ラーメンはじめて物語」
店の名前すら忘れた。
それからは「東京のラーメンたいしたことない」ってナメてたんだけど、いつだったかツアーで来て入った店、今度はびっくりするぐらい美味しかった!人生で食べたラーメンで間違いなく最高。あれに出会わなければコンニチ俺はこんなにラーメンが好きな人にならなかったと思う。
で、これは4〜5年前に気付いたことなんだけど。
例の「東京ラーメンはじめて物語」の店。
あんだけ「マズいなチクショー!」と思った店だから、せめて名前だけでもわかんないかな?といろいろ調べようと思ったのですね。マズい店だったからもう無くなってるんだろうけど。
で、友達の家どこだっけかなぁ〜?と考えて「思い出した!永福町だ!」
ここで「え?」
すでに「ラーメン好き人間」になってるんで「永福町・駅前」で、もう「なんという店か」というのがわかったわけです。
それもすごく有名な店。お店の歴史から考えて「その頃は違う店だった」ってのはない。
「そんなバカな!」と思ってネットで情報を調べたら味こそわからないけど値段・量・・・「間違いないんじゃないか?」と思えてきて。
もう、文字通り「居ても立ってもいられなくなって」行きましたよ!永福町・大勝軒
で、結果ですが・・・よくわからない。
値段、量、スープの温度はたしかに「同じ」な気がする。でも、味が・・・ひとくち食べて「美味い!」とクチを突いたほど。
かなり「好きな味」なんだな〜!15年の間で多少なりとも味が変わったって事もありうるけど「基本」はさほど変わらないはず。だとしたらこれを「全然美味しくない!」と思う味覚が当時の俺にあったとも考えたくないのだが・・・う〜ん、だから「よくわからない」としかいえない。
でも、絶対ここなんだよな。
というなんか「モヤ〜」っとした関係性の永福町系の大勝軒なんですが(つけめんで有名な今では全国に支店がある大勝軒東池袋発祥です)
その「モヤ〜」はもっと奥深い所にあるような気がズーッとしてたのです。
で、ちょっと前に実家に帰って、本棚にあった高校生の頃に読んでいた文庫本から「なにかオモシロそうなものないかな?」と見てたら・・・
椎名誠さんの「いまこの人が好きだ!」って本が目に付いて「あ!」
この本は著名・有名人からまったく無名な人まで、単に椎名さんが「好きだ!」と思った人との対談をまとめた本なんですが、そこに「いつも通ってる大盛りラーメンを出す店のオヤジ」ってのが入っていたのですね(その後、一昨年出た「麺の甲子園」という本でも登場してます)
で、高校生ぐらいのころ「ここは行ってみたいなぁ」と思ったんだった!
それが一橋学園にある永福町系の大勝軒だった!
う〜む、高校生の時に「行ってみたい」と思ったんなら、少しぐらいは頭の片隅に店の名前が残ってそうなもんで、21歳で行ったのがもし「その名前」だったら「あ〜」とかなってそうなものですが・・・まぁ、当時はそこまで「ラーメン命」じゃなかったんでしょうね。
と、いうわけで「なんで今日こんな話を書いてるか?」というと。
約25年ごしの念願かなって、一橋学園の「大勝軒」に行ってきた、というわけです(写真)
椎名さんが対談した頃とは店の場所も変わってるそうだけど、とにかく「ついに」という感じでした。
味は・・・もちろん「直系」といった感じの「永福町暖簾わけ味」でとても美味しい!
店に入った瞬間のむせ返るような出汁の香りは圧巻!
値段も本店より安くて・・・まぁ、値段もそうなんだけど本店はとにかく量が多すぎて、美味しいんだけど「2年に一回ぐらいでいいや」って思っちゃうんだけど、ここはちょうどいい「大盛り」
また「ちょくちょく行きたい東京ラーメンの店」ができたなー!
松ちゃん、ここなら大丈夫だぞ!