コーボーちゃんPart2

こんなん序の口!

前回書いた「コーボーちゃん」の話は欧州旅で楽器が壊れて修理に出して。その間の代車として安っさんから貸してもらった楽器がイマイチしっくりこない・・・なかなか「弘法筆を撰ばずの域には達しないな〜」という「コーボー」だったのですが(2010-08-01 - うさぎのえさ
さすがに1ヶ月使ううちに慣れました。今では結構「気に入ってる」ぐらい。
あまり使って無い楽器だったのでヌケないというのもあったけど「そこはそれ」俺がガンガン使ったんで良く鳴るようになったんじゃないかな?安っさん楽しみにしててね。
で、今日の「コーボーちゃん」は「工房に行ってきた」という話。つまりようやく修理で預けていた楽器が直って取りに行ったのです。
工房は横浜にあるお店で楽器を見てもらったのは今回がはじめて。
というのも、実は欧州から戻って最初は東京に来て以来の主治医「斎藤さん」に見てもらったんだけど「ちょっとこれは・・・」というぐらいに重症だったので紹介してもらったのです(厳密に言うと「最初」は別の楽器屋で見積もりだけしてもらったんだけど・・・あまりに高いので「やっぱ斉藤さん!」だったのです)
なんでも以前、某輸入楽器代理店の「重鎮リペアマン」として日本で売られているセルマーのサックスを全て調整していたという職人さんが独立して始めたという工房だから「悪かろうハズがない!」(そういった流れで俺の事も知ってくれていたそうです)
で、斎藤さんと一緒にお邪魔させていただいたのですが・・・工房内に入るとテーブルにはイヤという程見覚えがある楽器が(ただし見違える程キレイな!)
職人さんは「満面の苦笑い」で「いや〜大変でしたよ・・・いろいろとね」と。
で、とりあえず音を聴かせてくれと。
うわ〜なんか緊張するじゃないか!
とにかく、マウスピースを差し込んで「バフ〜!」
「まったく別物になってますよ」とは言うけど紛れもなく俺の楽器!俺の音だ!
初めは軽めに、そこから徐々に吹き込んで行くと・・・安っさんの楽器にも慣れて「それはそれで」気に入ってたんだけど。やっぱり軽自動車に無理矢理大きなエンジンを載せてそーっと走らせてたような感覚だったかなぁ。
久しぶりの自分の楽器はエンジン・・・ようするに俺自身の事ですけど、どんだけアクセル踏み込んでブンブン回転を上げてもシッカリ付いてきてくれる。
やっぱ乗り回すならこうじゃないとな〜
早くライブで使いたい!
ちなみにこの工房。実に硬派な職人気質な哲学で楽器の調整をしてる反面・・・ホント笑っちゃうようなデコレーションなんかもやってる!
もちろんデコを装飾する際に使う接着剤の樹脂って楽器の「鳴り」に最も影響があるんだけど、それを損なわないものすごい技術を持ってしての事、最近たまにデコを施した楽器を見るけど、くれぐれも素人はマネしないように!
と、いうことはわかってるんだけどマジ女子高生のケータイみたいで超ウケるんですけど・・・
で、ひと通り用件が済んだ後もいろんな話を聞かせてもらって・・・楽器の調整ひとつでそこまで音色に影響力のあるバリエーションが出せるのか!と感心させられたり。
楽器、特にセルマーの楽器に関して「かくあるべき」みたいな「こだわり」があって。
そういった哲学の中で「セルマー社の楽器造り」に対してこんなに理解、というか自分なりの解釈をする人が本国フランスから遠く離れた日本にいて、その人にリペアしてもらえたのはスゴク良かったと思う。
以前に比べて、現行のセルマーのモデルのラインナップってずいぶん変わってしまったと思う。「楽器造りの理念」そのものが変わったという気がする。
今日行った工房の職人さんが代理店を辞めて独立したってのは、そういう部分も大きかったのかもしれないと思うと同時に。最近の楽器をお店なんかで試奏して「変わっちゃったなぁ」とガッカリするのは、楽器そのものの変化もあるし「この人」が一本一本調整しなくなったからなのか〜ということを知った。
やっぱね、工房を構えるだけあってただの修理屋じゃないわけですよ。
とりあえず、今日のところは俺の希望を最大限に取り入れた上で、平均的な調整にしてくれたということで。「気づいた部分があったらどんな微調整でもできるから、また持ってきてください!」と言われてお店を後にしたのでした。
いや、ホントいい工房でこういう店は繁盛して長続きして欲しいと思う反面・・・あんまり忙しく順番待ちが長くなるのも困るからなー!
気になって知りたい人は俺に直接メール下さい。
というわけで、楽器を持って帰宅しました。
考えてみたら、この楽器。「すぐなんとかしなきゃ!」と欧州から成田空港に着いたその足で最初の楽器屋に持って行ったんだった。
ということは、出国する7月1日に・・・いや、前日の6月30日に機材車に預ける為に家を出て、実に2ヵ月半ぶりの「帰宅」となったのです。
長いこと大変だったね〜
よく「家に帰るまでが・・・」みたいな言い方をするけど、その考え方でいうと「俺の欧州旅」はようやく終わったとも言えるのです(まだ保険の処理とかいろいろ残ってるけど)
まだ、旅中の日記。全然更新してないけど「帰ってから」と書いてあったわけで・・・別にホッタラカシにしてたわけじゃなくて、ようやく「これから書くところ」です(言い訳)