ハンバーグ矛盾

bousisensei2008-04-29


ずっと前にココで「俺の母親はハンバーグだけダメだった」という話を書きました。(2007-11-23 - うさぎのえさ
別に「不味かった」というワケではないのですが、なにか重要なポイントを逃していたのです。
つまり「どこまでがハンバーグで、どこからが肉団子か」といった境界線で「肉団子側」に半分以上入っていたというか。
もちろん、形状的には「見るからにハンバーグ」だったので、テレビや写真で見るモノと変わらないから「こういうもんなんだ」と思っていたのですね、最初のうちは。
ところが、外食してオドロイタと。
どうも、母バーグは肉団子と同じ「タネ」を平べったく焼いて、ソースやケチャップの味で食べるものだったような気がします。
そういったトラウマ(?)からか、大人になって自分でハンバーグを作るようになって変なこだわりができてしまったのですね。
それは、あきらかに「肉団子」とは違った、誰が食べても「ハンバーグだ!」と思える王道の「ザ・ハンバーグ」にするという事。
レストランなんかで食べるのと同じ味、もしくは近い味を目指す事、そして重要なのは「それ以上」を目指して変な工夫をしない事。
で、誰もが「ハンバーグといえば」で思い浮かぶモノといえば?
見た目や後付のソース等味付け以外で、最も肉団子との「差別化」をするのにわかりやすいのが「香辛料の使い方」だと思うんですね。
玉ねぎを炒める時にローリエと一緒に炒めて香りを移したり、ナツメグを「タネ」練りこんだり。
いろんな店で食べた味を思い出しながら再現していくと、色々な香辛料が登場するのです。
で、ここで「ん〜?」となることなんですけどね。
ハンバーグでイメージする香り。前面に押し出されたスパイス達。
どれも「肉の臭みを消す」ものばかりじゃないのか。
試行錯誤して「やった!」って思うものが出来上がっても、どんどん「肉料理」からは離れていってしまってる気がするのだよ。
そりゃ、元々は「クズ肉」みたいな部位を美味しく食べための工夫、その為のスパイスだったんだろうけどさ。今、普通に売られてる「ひき肉」にそこまでする事ぁ無いんだよね。
ましてやテレビなんかで紹介される「どこどこ牛」なんて高級ブランド肉を使ったハンバーグでも、それなりにスパイスを使うわけですよ
「ハンバーグの体裁を整えるために」
なんか本末転倒だよなー「良い肉」使う必要全然なし!ありがたがるのもバカバカしい。
素材をフォローする為のスパイスが味の代名詞になってるマレな料理じゃね?ハンバーグ。
そうやって考えると、俺の「母バーグ」は実に「肉々しい料理」だったなぁ。
ただ、ホントに「肉が食いてえ!」ってなったら、それこそステーキとかカタマリの肉を喰えばいいのであって。だからといって、そんなしょっちゅう喰えるモンでもないから「肉欲」に対してハンバーグみたいな料理は必要なんだけど「ハンバーグの実情ってどうよ?」ってハナシでもあって。
自分で作ったハンバーグを「美味しいね」なんて食べながらも「なんだかなぁ」と考え込んでしまうのです。
と、書いてきて、今日の話は「曲」とか「アレンジ」に置き換えると「同じだなぁ」と思える部分もあったりするのですね。