今更ながら

賞取れなくて良かったんじゃない?

戌井昭人さんの「まずいスープ」を読んだ。
戌井昭人さん」なんて書いたけど、俺にとっては「鉄割のイヌイ君」なんだけど。
それでも、なんか「さん」って付けちゃうのは、この作品が「芥川賞の候補になった」って先入観からですかね?
イカン、イカン「権威」に惑わされて。
それに、取れなかったんだから「イヌイ!」で良いんだ、いつもみたいに。
しかし、読む前から「おもしろいんだろうな」とは思ってました。
それは、彼が「鉄割アルバトロスケット」のために書いた台本で何度も大笑いしてるから。
そうは言っても、というか。だから余計にそれが「芥川賞候補」と結びつかなくて「いったいどんな?」と楽しみに電車に乗って読み始めたのです。
・・・うわ〜おもしろい。
少なくとも俺は今まで「こんな作品」を読んだ事がない。
何度か声を出して笑いながら(車内にもかかわらず)グイグイ読み進んでいった。
惜しむらくは・・・ちょっと短い。もちろん作品の内容は充分なんだけど。
いつも、本読むときは最初に「もくじ」があるじゃないですか、あそこ読みますよね?
そうすると、次の話だったり「あとがき」のページ数が書いてある。
だから、本編を読んでるときに「あと何ページ」って事を思ったりする。
退屈な作品だと「まだ、ずいぶんあるなぁ」だし、おもしろければ「え〜もうすぐ終わるのか」とか。
その中で「この先どうなるんだ?」って考えたり、先を予測したり。
とにかく、この作品は「終わらないでくれ〜」って、そんな「いつまでも読んでいたい話」だった。
別になぁ、この調子で「どうでもいい」たわいのないエピソード、あといくつでも付け足せそうなもんだけど。
それをしないところがいいんでしょうけど。
と、いうわけで吉祥寺で読み始めて、電車を乗り継ぎ横浜からバスに乗り換え、目的地に着く頃にあっけなく読み終えてしまった。
まぁ「本牧、どんだけ遠いんだ」って話でもあるんだけどよ。
「ゴールデンカップ」で東京中低域3daysの中日、本日は11名。
帰りは読む本がなくなって困った。