ま、他人の事情だけどさ

嗅ぐ


テレビのトーク番組にオーボエ奏者の宮本文昭氏が出てるんで見てたら、この3月で引退するらしいじゃないか。
まだそんな歳でもなかろうに。
そもそもスポーツ選手と違って、演奏家の引退ってのをあまり聞いたことが無い。どこかと契約しているなら別だけど、わざわざ引退を公言しなくても歳とって仕事が減って、そのうち自然と表舞台から姿を消すからですかね。
それでいいじゃん、とか思うんですけど。そりゃ「あと1年だけ!」とか言ったらコンサートとかバンバン客来るだろうけどさ。ま、そんなヤラシイ事は考えてないと思いますけどね。
10何枚もアルバム出してるし、もうコンサートなんかで演奏して得る収入なんて全体の何分のイチぐらいで、そんなモンの為に世界中を周るのもやってらんないとかね。色々考えちゃうよね。
もちろん金が理由では無いとは思ってますよ。
でも、この日記にずっと前に書いたサッカーの中田引退の時と同じで「まだやれるじゃん!」って思っちゃうんだよね。「なんでヤメんだよ!」ってね。
言ってる事はわかるんだけどさ。これから新しくやりたい事ってのもわかるけど
「それは本当に引退しないとできない事なのか?」
って思っちゃうんだよな。
やっぱり、「楽器を置く」という事に俺は異常に抵抗があるんだろうな〜
「なんとか両立できないものなのか」って思っちゃうんだよな。
そりゃ、一流の演奏家がトッププレイヤーとしてやっていくには、それひとつに集中しなければいけないのかもしれないからさ、俺の周りにいる就職なんかを理由にバンドや楽器を離れる人に両立を説得するようにはいかないとは思うけど。
なんていうかね「シメシガツカン」って思っちゃうよ。
もちろん「いさぎよさ」も悪かないんだけど、俺の中での「宮本株」は落ちたかなぁ。
ところで、宮本氏のこれから「最もやりたい事」のひとつに「後進の指導」というのがあるそうで、それはドイツだったかで終演後に楽屋を訪れた、一般人の一言がキッカケになったそうだ。
それで思い出したんだけど(その一言とは全然関係ないけど)すごい前にこの日記で宮本氏の事を書いたんだった。
2004年の12月ってずいぶん前だけど、読み返してみたら「あ〜」って。
この人の物凄い経験ってのは、やっぱり「引退してでも」人に伝えていくべき事でもあるんだろうな。