ポンコツ×2・シロート×1

bousisensei2008-08-17


何年か前に高校野球で平凡な内野ゴロを打った選手が、一塁に流すように走った事に対して「けしからん!」と問題にしていましたね。
それ以来「絶対アウトだろ〜」って場面でも全力疾走している姿を見かけます。
う〜ん・・・
たしかに「けしからん!」と言う人の気持ちもわかるのです。
それに、悪送球やエラーで何が起こるかわからない訳ですから「アウト!」の判定が出るまでは全力でプレーすべきなんでしょう。
で、陸上競技なんか見ていて。
短距離走で特にメダルを「有望視」されていた選手が、スタートでミスをしてゴールまでランニングのように流して走っている場面を見かけることがあるのですが・・・
これもわかるような気がするのです。
「やる気が無い」のではなくて、もう「力が入らない」
俺たちもレコーディングなんかで。
昔から「パンチイン」という「間違えた部分だけを録り直す」という手法はあったのですが、最近のデジタルレコーディングは特に「切ったり貼ったりつないだり」ってのが手軽で当たり前なんですね。
聴いてる分には何の違和感もないけど、実はツギハギだらけの演奏ってのも結構ザラです。
で、そんな感じだから、録る時にちょっとしたミスをしても、曲を止めて最初からやり直すという事はせず、とりあえず最後まで通して録って、後からマズイ部分を差し替えるという作業をするのですが・・・
これがなかなか難しいのです。
やっぱり途中で「あ!」という場面があると勢いが落ちる。
動揺するのとモチベーションが下がるってのもあったり。
最近はさすがに慣れたけど、短距離の選手が流しちゃうのってこれに似てるんじゃないでしょうか?
ただ、短距離の場合はまだ良いと思うのです。
「あ!ダメだ」と思っても一瞬。
これが、マラソンなど長距離で、早い時点で「万にひとつ」もメダルや記録の可能性が無くなってしまった場合。
「あ〜ダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだダメだ・・・」ってのがずーっと続くワケですよね?
それとか「クッソー!チキチョー!」ってこれまでのトレーニングが報われなかった事とか色々思い出しちゃうワケですよね。
よくそれで完走できると思います。
すごいモチベーションじゃないですか?
内心「さっさとリタイアしたい」と思ってるかもしれないけど、何がそうさせないかって言うと、やっぱり「周り」って事なんでしょうな。
「絶対に負けられない」とか「メダル以外は意味が無い」みたいな事を言っておきながら、いざ「勝ち」が無くなると「完走する事に意義がある」に変わる風潮。
ひょっとしたら、その後の選手生命に関わるかもしれないような無理をすることって、意味が無いと思う。
「国民の期待」って、もっと無責任なものなんじゃないですかね?
棄権したり欠場するって、それもそれなりの勇気が必要な事で、それはやっぱり選手個人が決めて絶対他人がとやかく言う事ではないと思うのです。
完走する人、途中棄権する人、はじめから出場しない人。
相田みつを(キライ)なら「にんげんだもの」の一言で片付けてしまいそうですが。
そんな簡単じゃねーっつーの!バーカ!
ま、選考に問題があったんじゃないですか?女子マラソン