「本人じゃない界」*1

bousisensei2007-12-19


みなさんはわざわざ「本人歌唱」と書かれたCDがあるのをご存知ですか?
とっさに「どういうこと?」と思うかもしれないけど、つまり「本人が歌っていないCDがある」という事ですね。
さらに、訳がわかんないですか?
よく、スーパーのワゴンセールなんかで安い値段で売られている「○○全曲集」なんてのを注意して見ると「本人」と「本人じゃない」があったりするのです。
これが結構おもしろい。
もちろん「本人じゃない」の方。
最初にハマッたのは2005年の7月に吉野さんに聴かせてもらった「アニメソングヒット曲集」みたいなやつ。
パッと聴いてわかる「低予算」なサウンド
当然スタジオ代なんかもケチってるだろうから「録り直し」なんかしてない「ワンテイク勝負」
それも「試し録り」とか「練習」すらしてないだろう?と思えるようなどう考えても「行き当たりバッタリ」
たとえば、手塚治虫の「火の鳥」のテーマ曲が収録されていて、これは作曲がミッシェル・ルグランで歌が松崎しげるという、いかにも難易度の高そうな「手を出すとヤケドするぞ」的な曲なんだけど、どう考えてもスタジオに入って「はい」と渡されて「じゃ、録りま〜す」という流れで録音した雰囲気。
まず、歌のキーが合ってない。原曲の「しげるキー」からは変更してるんだけど・・・ということは一応この「歌い手さん」に合わせたハズなんだろうけど・・・う〜〜〜む?
当然、元歌の松崎しげるは音域も声量のレンジも広いから、こちらの「歌い手さん」はサビの部分で声が張れてない!さらにルグランマジックのような転調を繰り返す部分では完全に「迷走」してる。
挙句の果てに、3コーラス目のサビは「あきらめてオクターブ下げて」歌ってる!
録り直すでしょ?普通。
よくこれでディレクターがオッケー出したなぁ、という酷さ。
とにかく、これにハマリましてスーパーやホームセンターの「安売りCDコーナー」を漁るようになったのであります。
で、先日も名古屋で「本人じゃない方マニア」の松本・照喜名両氏と漁っていたら・・・
なんと「火の鳥」収録のアルバム(?)を発見!
実は吉野さんに聴かせてもらったのは「オケ仲間」から焼いてもらったRだったので、本物(?)を見るのは3人とも始めてだったんですね〜
で、松ちゃんが購入してさっそく聴いて見ると・・・
ミックスが違う!
歌のトラックやオケは、ほぼ「そのまんま」なんだけどバランスが微妙にいじってある。心なしかボーカルが引っ込んでいるような。
基本的に「ダメなところ」は何も変わってないんだけど。なら「なんでわざわざ?」だよね。
う〜む、マスターテープにちょっと手を加えた、という事で、またどこかで「お金」が動くという事だろうか?
え〜っと、それから「本人じゃないシリーズ」の「○○全曲集」は一人の歌手がいくつものアーティストを手がけています。
裏のクレジットの曲名の下の所に「歌/誰々」みたいな事が書いてあるんですが・・・
その「本人じゃない界」の超売れっ子「岡 知彦」という人についての情報を集めています。
「これそうじゃない?」「これもそうじゃない?」と漁ってみると、サザン、堀内たかお、加山雄三から慎吾ママに至るまで、あらゆるスタイルを網羅するマルチぶり。
しかし、検索してみるとほとんど情報がないのだ。ライブとか表立って活動していないせいか、俺の名前よりヒット件数が少ないぐらいだ。
「元アイドル」なのは判明してるのだがな〜気になるのですよ。
あ、それから上の写真は「本人」の方のジャケットです、念の為に。
演奏「ロンドン交響楽団」ってスゲー。
これを「あそこまで」やったってのも、やっぱスゲー。