歯切れの悪い文章

bousisensei2008-01-30


なんにでも「上手い」と「下手」ってありますよね。
バンドのリーダーなんかをやっていると、結構インタビューなんかの取材を受ける事があるんですが「上手いインタビュアー」ってのに当たると、実に気分が良いもんです。
今回、そんな人とお仕事ができました。
で、そういう時って出来上がった記事も案外こっちが「言いたい事」がねじ曲がらずに仕上がっていたり。
「?」って思うかもしれないけど、インタビューって受けてる側が記事にしてもらいたい事が実際書かれる場合って結構少ない。
どちらかというと、もう「こういう記事が書きたい」ってのがインタビューする側にあって「誘導尋問」じゃないけど、そういう風に「答えさせられる」場合があったり。
だから、こちらも「こういう記事にしたいんだろうなぁ」ってのを汲み取っていかないといけなかったりするんですね。
その辺りの「セメギアイ」みたいな、ちょっとした「駆け引き」みたいな事をやって、思いっきり「妥協」しないといけない場合も結構あります。
なんていったって、結局「記事を掲載する」のは向こうなワケで、どこまで食い下がったところで所詮「向こうの思い込んでいる鬼頭哲像に限りなく近い受け答え」しか期待されていないワケですから。
「あ、これは形式的に聞いてるだけだな」って部分を一生懸命答えても、結局記事になった時はカットされてたりするんで。(慣れてない頃は、しょっちゅうそういう事があって「ここは外さないで欲しいな」って自分の中で一番伝えたい部分がカットされてよくガッカリしたものです。)
その辺りの「本音と建前」みたいな、日本ならではの「楽しい風習」って、結局「読解力」とかの問題なんだろうけど、文章や言葉の「プロ」であるはず人がインタビュー受ける側より明らかに「劣っている」場合も多々ありますよね。
ま、いいんですけど。
しかし、どこをどう解釈すればこんな記事になるんだ?って「思い込みが激しすぎる」事がしばらく続いた事もあり、メールやファックスで送られてきた記事にブチ切れるという事を繰り返すという、非常にストレスのたまる出来事があったり。
直接文句を言えばスッキリもするんだろうけど、やはり相手は「文章のプロなんだよな?」という気持ちもあり、相手のプライドや「こっちが悪いのか?」などと考えてしまってついつい遠慮してしまうのですね。
「たかがサックス吹きが何偉そうな事言ってるんだ?」と相手は思うんだろうなーとか考えてしまうわけなんですよ。(だから雑誌の仕事なんかはウチの人が文章のプロで全面的に信頼しているので間に入ってもらって、俺が直接文句が言い難い事も代わりにやってもらったり、完全に校正なんかをこちらでやってもらったりしています)
今回もライブの記事を書いてもらう為にインタビューを受けまして。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080129-00000000-hsk_me-l23
かなりたくさんの項目の質問事項があったんですが、実際の記事になるとやっぱりずいぶんボリュームも減ってしまうものですねー
もちろん字数の制限もあるんだろうから、書いたこと全部が記事になるとはこちらもハナから思っていないので、ある程度「抜いた」答えを書いてる部分もあって、やっぱりそういう部分はカットされるワケですね(ただし、それが「良い」のか「悪い」のかは自分ではもう判断できないので、ウチの人に見てもらって「この人は上手いよ」と言うので「そうなんだ?」と思って「じゃあこれで良いか」と納得するのです)
やっぱり、そういう時って「こっちは専門家じゃないから」という「引け目」があるんでしょうね。「専門家が専門家を見る目」っていうのを全面的に信頼するのが一番確実なんですね。
とはいえ、今回は自分でも最初に送られてきた質問事項を見る限り「思い込み」の「こういう記事にしたい」ってのが無い「上手い人」に当たったんじゃないか?と思ってます。お蔭で初めて「鬼頭ブラス」という物に接した人にも「その実態」が正確に伝わる良い記事なんじゃないかと思います。記事を書く人の変な「思い入れ」みたいなものが無くて、単なる「紹介」としては「ほぼベスト」じゃないでしょうか?
と、同時に俺的には「経済新聞」って媒体を意識して、普段さほどこだわりのない「名古屋発」を強調してみたり、あえて「逆輸入」って言葉を使ってちょっとネガティブなくだりなんかを俺なりのサービスで盛り込んでみたんですが、そういう部分がカットされずに記事に採用されると、ちょっと「してやったり」な気分なんですね。
「お、やっぱりここは食いついて来てるね」とか。
(結局、全文本音の記事になる事がこちらとしても「納得行く事」では無いので、こういった事で自分なりに「楽しもう」とするワケです)
(なんでこんな事を書いたか?というと、経済新聞の読者の方を騙すのは楽しいのですが、ここを続けて読んでる人に「鬼頭哲こんな事も考えてるんだ」と思われると恥ずかしいからです。ウソでは無いんだけどホント、「記事にしやすいだろうな」ってサービスのつもりで答えただけです。)
(もちろん、今書いた事は、ここを続けて読んでいる人を騙す為のウソです。)