テルキナ・シミュレーター

bousisensei2009-01-14

思い出せないぐらい前の話で恐縮なんですが、去年NHKの「中学生日記」で吹奏楽部を舞台にした回があったんだけど、見た人いますかー?
どんな内容だったかっていうと、主人公はユーフォニウムを吹く女の子で、普段は伴奏のようなパートばかり吹いてるから「たまには脚光をあびたい!」と、おそらく同じ思いをしているであろう他校のユーフォ吹きを集めて「ユーフォだけのバンド」を組んで文化祭に出よう!と。
まぁ、この時点で「チューバを差し置いて何をゼイタクな」って話ですけどね。中学生が演奏するぐらいの曲の中にも、いくらでもユーフォがメロディを吹く曲はあると思うんですけど、番組を作る上での都合もあったんでしょう。
この辺りで、まず制作側が意図的に「ユーフォはパッとしない楽器」と視聴者に思わせているような気はしたのです。
で、10人ぐらいのメンバーが集まって、アンサンブルをやることになったんですが・・・もう、おわかりでしょうが、パート分けの時に結局言い出しっぺの女の子はメロディではなくて伴奏のパートになってしまう、という。
それでも、最後は全体を包み込むような柔らかい音色に「わたしユーフォ大好き!」と、いかにもNHKな「めでたしめでたし」のエンディング。
ま、内容はどうでも良いんですけど。
問題はというか、番組の随所に「みなさんユーフォニウムという楽器をご存知無いとは思いますが」という前提での作りが感じられたのです。
でも、まぁそうか。
オーケストラに定席は無く、吹奏楽以外でめったに使われることの無い、ある意味「珍楽器」(オーケストラに定席が無いという意味ではサックスも同じですけどね、ポップスでは花形ですから)
それでも、ここを読んでる人は音楽の好きな人や実際楽器をやってる人も多いだろうから、音色とまではいかなくても名前や形ぐらいは知ってるでしょう?
じゃなかったら、鬼頭ブラスの「あ〜!ヘンな名前の人が吹いてるヘンなラッパ?」ぐらいはわかる?
しかし、鬼頭ブラスの「ヘンな人」(名前が)でしかユーフォニウムを知らないとしたら、最初に書いた「中学生日記」の話はまったくピンと来ないよなぁ〜
それこそ「ユーフォって、メロディもいっぱい吹くし、美味しいとこ全部持ってくヒドイ楽器だね」ぐらい?
そうなんですよ、俺もコンサートの曲順決める時、なんとなく「フーッ」と曲をならべてよく考えたら「あ!ユーフォ」「これもユーフォ」ってなっちゃうんですよ!(なんとなく、いつも曲順がカワリバエしない最大の理由はこれ!)
でもねぇ・・・
彼(ヘンな人)が我が鬼頭ブラスのメインソリストにおさまったのは留学から帰ったばかりの2004年だから、かれこれ4年以上になるのです。
もちろん、ウチは吹奏楽とは音楽的にはまったく関係ないんだけど、やっぱりさぁ「ブラスバンド」って看板出してて「めちゃウマのユーフォ」なんて「最強の武器」を手に入れたら使いたくなるでしょう?
吹奏楽以外のポップスのフィールドでの「ブラスバンド」に、ただ「ギターやベースがいないだけ」ってのが多いような気がするんだけど、ウチが「管楽器と打楽器のみ」って胸を張れるのは「管楽器バンドの為に作られた楽器」が大活躍してるってのがすごくある。
なんだろう?うなぎを捌く専用の包丁を持ってるとかっていう、職人のこだわりアイテム、ただし他人にはそれほど必要ないみたいな。ちょっと違うか。
ま、そんなせっかくのアイテムなんで結構ユーフォについては研究しているのです。
「研究」なんてエラソーな事言ってますが、この4年で彼以外のユーフォを聴いた事なんて数えるほど。
つまり、フレーズを作る時は「テルキナ・シミュレーター」を使ってサンプルにしてるのです。
新曲で、またシミュレーター大活用しました。