俺の部屋から

白赤だったわ

写真は2005年、KABB!が「鬼頭 哲 ブラスバンド」だった頃に作成したCD-Rですね。う〜ん、懐かしい。
(現在KABB!は正式名称「KITO,Akira BrassBand!」ですからね、読みは変わらず「キトウアキラブラスバンド」ですけど)

音源の編集は今もだけど、この頃はジャケットも全部俺が作ってたんだよなぁ。
で、CD-Rは2004年の12月にやったライブの音源で、タイトルは【from my room to your 「my room」】
なんとも、まどろっこしい言い回しだけど、直訳すると【俺の部屋から君の「俺の部屋」へ】ですな、なんだそりゃ?
まぁ、ようするにレパートリーである「俺の部屋」をフィーチャリングした作品だったと。ちなみにこの曲を作ったのはこの年の5月だったかで、初演は6月のライブでした。
つまり、もう6年もこの曲を演ってるんですね。
ただ、アレンジなんかは随分変わってるし、なにより「意味」というか・・・ライブのクライマックスで演奏される事が多いこの曲の「バンドにおけるポジション」(具体的な場所でない位置付け)というか・・・とにかく、変わってきてるのです。
なにしろ、作った当時の日記を読み返してみたら(2004年6月17日)「新曲「俺の部屋」はバリトンサックスの松本卓也に引越祝いで作った曲だ。」って書いてある!
あくまでも「それが動機だった」というだけで、初演の時すでにサビの歌詞は付いてたから、単純に「彼の為」という曲ではなかったけど、レパートリーに「バリトンがメロディーの曲を」というバリエーションの増やし方をしたのは、確か。
余談ではありますが、この頃そういった「フィーチャーする楽器ありき」で作り始めた曲が多いです、アルトホルンで「手ぶらでいこう」ユーフォで「テラシツヅケル」とか。
モチロン「楽器」ではなくて、それを演奏するウチのメンバーを想定した「アテガキ」なんだけど、今ほど最初から「含み」みたいな意味を持たせる楽曲はなかったかも。だから逆にバンバン新曲を量産してたんだと思う。
で、話は戻るんだけど6月に初演をやってみて。実際、声に出してお客さんの前で歌詞を歌ってみて。12月にもう一度やって・・・そこで、なにかあったんでしょうね、俺の中で。
で、【俺の部屋から君の「俺の部屋」へ】というタイトルの作品を作った、と。
おそらく、その時考えていた事は、少し後で書いた曲の解説に間違いないと思う。

俺は神様を信じていないけど、この曲はゴスペル風に始まる。クリスチャンにとって「大切なものはすべて聖書の中にある」のかもしれないけど、無信仰の人間にとって大切なものはどこにある?極端な話、週に一度礼拝に通う人だって、自分の部屋へと帰っていく。「俺の部屋」は誰にでもある大切なものの象徴。ホームレスだってシートで囲って「俺ワールド」を作ってる。
この曲の中盤
思い出せないあの頃の気持ちを
取り返せ!ステップにあわせて
忘れたくない 大切なメロディ
眠らずに 明け方まで歌おう!
この歌詞にこめたのは、「自分で行動を起こそう」というメッセージ。「神様、この歌をわすれたくないんです」じゃなくて。「朝まで歌って忘れないぞ!」
自分にとって「これだけは譲れない」という大切なものなら、多少頑固であっても守り続けて構わないんじゃないだろうか。世界を変えるパワーだって、きっと「俺の部屋」から発信されると思う。

未だに、本筋として「行動を起こそう」というメッセージに変わりはないと思う。
ただ、最後「思う」と多少自信なさ気にシメていた部分に関しては、かなり「確信」は持てたような気はする。
しかし「それでいいのか?」という事も同時に考えるのです。
ホンの数年で「発信」という事に関しては、ドンドン手軽になった(内容は置いといて)
「簡潔な文章で近況を報告する」という事が流行したり、そこでの「やりとり」があったり。
そうなってくると「俺の部屋」という言葉、あくまで「象徴」のつもりで使った「部屋」という言葉がすごく「閉鎖的」に感じるんだなぁ。
ネットでの「つながり」に満足して部屋にこもってる、みたいな。
「簡潔な文章」ってダイレクトに伝わってくる部分もあるけど「どういった考えでそこに至ったか」という所まではなかなか読み取れない。
でも、そこを抜きにして相手を「わかった」って言えるのかなぁ〜?
「結果の報告」よりも「過程を知る事」の方が、より相手を理解できるんじゃないか?
「つながり」ってそういうもんじゃないのか?と思うのです。
だからこの曲も「部屋を飛び出そう!」ってしたい。こもってないで。
ただ、発信するのは他人の「受け売り」ではなくて、常に自ら考えた「自分の立ち居地」から。
で、その「自ら考えた」ってのは「かたくなに我を通す」じゃなくて、いろんな人の意見に影響を受けたものであったり、アドバイスを反映したもので構わないと思えてきた、というかむしろそうであるべきだ。
具体的な「空間」ではなくて、自分が居る「場所」が全てが今考える「俺の部屋」なのかなぁ。
「他人が踏み込めない」ではなくて「人とつながる場所」



本日の日記は間もなく完成するKABB!ニューシングルの宣伝です