bousisensei2006-02-23

暮れ辺りからフィギュアスケートを見る機会が多い。
見ていて関心するのは、解説者がパッとジャンプをするのを見て「トリプルアクセルですね」とか瞬時に言う事。
これは俺だけじゃないと思うのだが、ハッキリ言ってジャンプが2回転なのか3回転なのかよくわからない。もっとハッキリ言えばそんなこと割とどうでも良かったりする。
さすがに「あっころんだ」とか「あっ手ついた」ってのは素人目にもわかるけど。
そんな事より、全体の流れや演技の大きさで「きれいだな」とか「すごいな」って思いながら見ている。おそらく大半の人がそうなんじゃないかと思う。

ところが事音楽の演奏となると、頭ではわかっていても細かい事ばかり気にする人が多い。
ハイノートや早いパッセージに命をかけ過ぎ。
たしかにスケートの選手もジャンプの部分だけをなんども練習はしてるんだろうけど、最終的には上手い事流れに組み込んでいる。
ブラバンのメンバーだと伊達さんとかQちゃん奈緒ちゃんって、「ジャンプ!」ってところに対しての気持ちの力みが何小節も前から見ていてわかる。「とにかくジャンプを!」って気持ちが強くて前後がイマイチ散漫でぎこちない。で、大技でこけるとメロメロになったり、そういうのは素人目にもわかっちゃうんだよなぁ。
その点テルキナ君とかって、全体の流れとか表現の大きさを見せるのが上手いよね。素人にはわからないかもしれないけど、さりげなく15回転半ひねりみたいな大技をいれたりしてね。ジャンプを飛ぶにしても「より高く」「より美しく」ってとこまで気がまわってる。ズルイのは逆に大した事じゃないことを「さも大変そうなフリ」をするのも上手いし、ごまかすのも実は上手かったりする。

結局3回転だとか4回転てのは審査員に対するポイントのアピールでしかないと思うんだけど、ショートプログラムで3回転を瞬時に無難な2回転にした荒川と無理に3回転してバランスを崩した安藤。結果はお客さんにも見てわかる通り。
「オリンピックの舞台だから」というチャレンジもあるのかもしれないが、「オリンピックだからこそ」自分の技量を客観視し、それが「リスキーなトライ」であるならやめてしまうのも大切だと思う。その時点で確実でない事をやるのはギャンブルと同じだ、「がんばれ」等と応援するのがおかしい。練習不足をもっと批判して「やめろ」と言う人がもっと多くいてもいいと思うのだが。
自由演技で「悔いの残らないように4回転を飛ぶ」なんて安藤は言ってるけど、そんな事は知ったこっちゃない。
誰がずっこけるところなんて見たいか。
楽勝で4回転できる様にしてこいってんだ。