ところで

サックスという楽器を吹いているくせに、どうして「歌詞」を意識するようになったか、という話。
今から10年以上前のことだけど、英語で歌うブルースとかのバンドに参加していたんだけど、どうにも「オブリガード」ってのが上手く吹けなかった。コードには当ってる、音は間違っていない。でも「なんか違うんだよな」と言われる始末。
「なんかってなんだよ」と思いつつも、もっと研究しろと言われて、色んなブルースのレコードのサックスのフレーズを聴いてみたけど……特に「ブルースなんてどれも一緒じゃん」って感じだよね、少なくともコード進行は。
で、それから少しして日本語のフォークロックみたいなバンドに参加して、「オブリガードのなんたるか」に開眼しました。いやぁホント恥ずかしい話。「オレハイママデナニヤッテタンダ」の世界!
「コードには当ってる、音は間違っていない」じゃねぇよな、まったく。そういった機械的・理論的なくだらない自信なんて「なんか違う」って否定されて当たり前の事だよ。
「歌を聴け!歌に寄り添え!」ってことだったんすね。
もう、そういった観点から見ると今までやって来た事をそれこそ全否定せざるを得ない状況。録音した音なんか聴くと実に勝手な事やってました。「難しい事をやった方が偉い」とまで思ってた時期もあったしな〜

などと回想してしまいましたが、そういう事です。未だにそんなに上手くなったとは言えないけど「聴く・理解する」ってのは「音を出す」のと同じかそれ以上に大切な事だと肝に銘じております。
だから「オブリガードの上手い人」ってのをみかけると、楽器のテクニックどうこうじゃなくて「オンガッカの資質」みたいな物を垣間見るようでニヤッとしてしまいますね〜