えらそうなことを言わせてもらえば

やりたいことがある


「プロのミュージシャンになろう」と思うとき。
確かに「楽器が上手い」というのは、重要な武器になると思うが、それが「動機」でどうするよ。
つまり「楽器が上手いからプロになろう」それでいいのか?
中学の吹奏楽部あたりで楽器を始め、高校ではコンクールで賞を取り、楽器の技術も回りから一目置かれる存在。そして、音大や専門学校に進む事になり…
当然「プロになろう」となるだろう。
わかりやすく言ってしまえば「文章を書くのが上手いから」「小説家になろう」っていうのと同じだ。これなら誰もが「それは違うんじゃないか?」って思うはず。「小説家」になるのであれば、必要なのは「物語を作る力」みたいなもんだろう。つまり「書きたい事があって」はじめて「上手く文章が書ける」という事が武器になるのであって、それ自体が動機としては成り立たないという話。
ところが、名古屋などの地方都市でクラシック以外のポップスとかのフィールドで活躍している「プロ」と呼ばれている人には意外とこういった人が少なくない。というか「人より楽器が上手い」ということだけで「プロ」になれたりする。でも、その土地を離れようとせず、小さな村社会の中でキャリアとテクニックのみで形成されたピラミッドの頂点を目指す世界には、どうも馴染めなかった。簡単に言ってしまえば、俺がさほど楽器が上手くないというのもあるんだけど。
それぞれの「人間」はおもしろいし、楽器もそれこそ人一倍びっくりするほど上手い。だけどやっている音楽は借り物であったり、それほどおもしろくない。地方都市における「食ってく為のプロ」ってのはそれが仕方ない事なのかもしれないけどさ。「これで食ってる」て言っても楽器使ったバイトしてるみたいなもんじゃん。それはミュージシャンとは言わんよ。
もちろん、否定はしないけど俺はもうちょっと広い世界で勝負していきたいと思う。

我がブラスバンドのメンバーがコンサートに行って「首を傾げた」ってのはそういうことじゃないのかな。
いいセンスしてるじゃないか。