むかし話でも

bousisensei2008-10-11


以前にも書いたような気がするんだけど、名古屋に「なんや」って呑み屋があって。
高校を出てすぐの19歳から25歳ぐらいまで週一回だけど、ずーっとアルバイトをしていたのです。
バイトは週一だったけど、それ以外の日も客として毎日通っていました。
大学に行っていない俺にとって、年齢的にも期間的にもちょうど重なっているようなもので、実際ここで多くの事を学んだのです。
あらゆるジャンルの音楽がカセットテープや後にCDで置いてあって、基本的にバイトが店内のBGMを選曲するというシステムだったから、それが自由に聴けて。
ここで知った音楽の多いことよ。
で、膨大な量のカセットやCDも何年かかけて一通り聴いた後は「ここに置いてない音楽を」と自分で探してきてお店でかけたりしてたんですね。
他のバイトの連中もそれをやるもんだから、この時期に聴いた音楽の幅広さはハンパ無いと思います。
「聞き流す」じゃなくて、真剣に聴いてたなぁ。
当然、今やっている事にものすごく役に立ってるワケで。
でも、それ以上にここで出会った人から得た物というのは大きいのです。
当然、目上の人が多く、どちらかというとサラリーマンよりは芝居とか音楽に関係した客層も多くて「先生」なんてちょっと浮世離れした人の机上の知識ではなくて、現場で生きてるホントに「為になる話」が聞けたり、年齢なんか関係なく論議したりと、学校に通う以上に「今の自分」を形成するのに役に立ったと思ってます。
その中のひとりに「くじらさん」という人がいて、たぶん一回り以上、下手したら20ぐらい年は離れていると思うんだけど、本職は店舗やインテリアのデザイナーとかをやってたのかな?でも、音楽が好きで知識も多岐に渡っていて・・・
そういう人がいまして。
結構、俺の事を気に入ってくれていたみたいで、というか気が合う人で、時には客と店員として、時には客同士として、いろいろな事を話したりしたのです。
「気が合う」なんて失礼か。とにかく「好きな大人」で会うのが楽しみだったのです。
くじらさんはくじらさんで、俺の将来を期待して楽しみにしてくれていたみたいでした。
それから「口が達者」というか、とにかく話が上手くておもしろい。よくよく考えると今の俺の話し方は少し似てるかもしれない。
なんで、突然こんな話を書いてるかというと、昨日その「くじらさん」に会ったのです!
それも名古屋でじゃないよ。
俺は名古屋からの帰りの新幹線を品川で降りて、駅構内を山手線に乗り換えようと歩いていたら、人ごみの中を向こうからやってくる人に「あれ?」
それが「くじらさん」だったのです。
髪型もすっかり変わって、ヒゲも生やして、かなり印象は違ったけど(お互い様か)一発でわかった。
ものすごい偶然でスゴイびっくりしたけど、それでも「あー!」なんて声を上げるでもなく「おう、鬼頭!」と「なんや」で毎晩会ってた時みたいに。
変わらないなぁ〜
聞けば数年前から仕事で東京に来ていて、今住まいは三鷹だそうで。
今日はたまたま名古屋に帰る事になって、これから新幹線に乗るところだと。
それが、ここでバッタリ会う「確率」というのが計算できる人がいたら教えて欲しいよ。
さらに驚いた事に、東京で3回ほどライブを見てくれたと言うではないか。
お互い目的があっての移動中だし、雑踏の中だからホンの一瞬の再会だったけど、
「がんばってるみたいだな、ちゃんと見てますよ」って言われたのはウレシカッタなぁ。
なんか、ホントの先生に会ったみたいだった。
これも、以前書いたけど、俺は駅で「ウレシイ偶然」に出会うことが結構多い。
あ、駅に限らずラッキーな出会いって多いな。
俺、運がいいんだなぁ。