時代は変わった

bousisensei2008-10-12

「横須賀芸術文化劇場」で渋さ知らズ
このホールの立派さや、横須賀までの道のりがあまりにも遠かった話しは別の機会に書くとして。
今日はファンファーレ・チョカリーアとの共演でして・・・
このルーマニアからやって来た「世界最速」のブラスバンドとの共演は、もう何度目だか?
最初は初来日だった2000年で、当時すでに大原裕さんを通じて、その存在や音楽を知っていたから(実際リブラフでカバーしていたし)「奇跡の来日」とばかりに国内の行ける場所全てに楽器を持って一緒に演奏しに行ったものです。
それが、こんなにしょっちゅう来る様になるとはねぇ・・・好きだから、いーんですけど。
話しを初来日の時に戻すんだけど、彼らのセミドキュメンタリとも言える映画「炎のジプシーブラス」の中に、その時の模様も納められているのですね(だから俺もチラッと出てるのです)
世界中を旅する様になって間もない頃の、貧しい村から来た素朴な「田舎のおじさん」が、初めて接する聴衆をトリコにする痛快な映像をご覧になった方も多いと思います。
当時の彼らは、映画の通りシャイで素朴で。
招聘してるプランクトンのスタッフによると、どこに行くのも「お上りさんの観光ツアー」みたいに団体行動で、メンバー外の人と積極的に会話をしようとする人はいなくて、ほとんど楽屋から出る事も無かったと。
そういえば、最初はリーダー格のオプリカしか英語喋れないって聞いてたもんなー
しかし、時代は変わるもので、今ではちょっと時間が空けば「慣れたもの」とばかりに初めて来た場所でも三々五々に散歩や買い物に出掛けるし(以前はケータリングが充実していたけど、今日比較的簡素だったのは「その必要が無くなった」って事なのかねぇ)こっちの楽屋に遊びに来て流暢な英語で話しかけて来る様になったり。
ホント、変われば変わる物です。
しかし、舞台裏を知る者としては、もっと変わった部分も知っていて・・・
以前はメンバー全員がボロボロベコベコの楽器を使っていて、俺達の楽屋に来ては「リードくれ」「マウスピースくれ」「ストラップくれ」と英語が喋れないはずのメンバーまでも「くれくれ」と、それこそ「何かあげるまで」絶対にその場を離れようとしなかったのです(だから今日も念のために「あげても良いストラップ」を持って行ったのだ)
それが一切無し!
みんなピカピカの楽器を持ってて、話しを聞くと「年中ツアーに出て何百回とライブをやってるから、すぐ楽器が壊れてしまう。だからその度に買い替えるのさ」って・・・
アンタら、昔は自分で修理しとったやないか!
俺なんか8年前とおんなじ楽器ですよ!
で、よ〜く見ると高そうなブレスレットやら、結構良さそうな服着てるしな!
楽屋の雰囲気も含めて、完璧に逆転されたな〜
俺達の方が、絶対貧乏!
で、大爆笑してしまったんだけど、あげくにピカピカのセルマーのオールドモデルを自慢気に見せて
「良いサックスだろう?」と。
で、ホントに良いコンディションだったから「イイですね〜」ってホメたら・・・
「買わないか?」って。
性根は何も変わってねーなぁ!