作法と習得

bousisensei2009-04-28

最近、パイプにハマッてます。
肺まで煙入れない分、普通のたばこより健康的かも・・・つっても、外で吸うとなぁ、誤解されそうだよねぇ。
実は一昨年の暮れ頃、引っ越しを機会に「喫煙具」一切を処分することになった吉野さんから「いる?」とパイプをはじめ、道具一式を譲っていただいたのだ。
でも、なかなかモウモウと煙を出せる環境も無かったので、1年以上封印していたのです。
で、やり始めてみると、これがなかなか難しい。
煙管ならば常習なんだけど・・・いやいや。
一応、初歩のレクチャーみたいな物は文章で送っていただいたものの、実際やってみると・・・
一番強調して書かれていたのは、強く吸い込まず、とにかく「ゆっくりと」
「吸い込む」っつっても肺には入れないんで、葉巻きのようにふかすだけなんだけど、ついつい紙巻きの要領で強く吸って火を起こしてしまう。
これでは本来の「香り」は楽しめないんだそうで。
なんでも、パイプには競技があって、5gの葉っぱで2時間とか吸っちゃうらしい。
「これを2時間かけて?」
全然ピンと来ない、っていうか「そんなことできるの?」
で、結局のところ何が難しいといえば。
まず「本来の香り」ってのがわかっていない。
それから2時間ってのは特別として「ゆっくり」の加減もわかっていない。
煙ってこんなに出るもんなの?とか。
こんなんじゃ、仮に「できたつもり」になってもホントは全然間違ってるって可能性の方が大きい。
これは、楽器を練習する時の「教則本」をまったくの初心者が我流で読んで「変なクセが付いちゃう」ってのと同じですね。
教則本を作る側ってのは、そこに書くことが当然「できて当たり前」の事であって。
実際、楽器を吹く場合なんか、もう「無意識」でやっている事もたくさんあって。筋肉の使い方だとか、力の入れ具合だとか。
ひとつの音を出すにしても、くわえる口と構える腕以外にも全身のあらゆる部分を連動させているのです。
そういった複雑な事が「当たり前」に自然にできてる人でも、いざそれを文章で初心者に説明するとなると・・・
絶対、難しいよなぁ。
だから「目の前でやってみせる」という意味で「レッスン」ていうのは有効なんだと思います。
だから、それは「いろんな事を教えてもらう」っていうよりは「こう!」っていうお手本を一発見せてもらえば十分。
「こんな香りなんだ」とか「そんなにゆっくり吸うんだ」
楽器の場合だったら「こんな音が出るんだ」とか「そんなトコに力入れるんだ」とか。
それを目の前で見せてもらう。
で、あとのそれをやる為に「どうすればよいか?」は自分で考える。
「あの香りを出すため」「あのスピードで吸うため」
手取り足取り教わったところで、所詮身体の構造の微妙な違いから、先生のやり方が自分に合ってるとは限らない。
答えさえ教えてもらえば、導き出し方は「人それぞれ」で良いと思うし、そこを考えるのが大事なんじゃないか。
なんてことを、ようやく「ゆっくり」吸えるようになったパイプをくゆらせながらのんびり考えてしまった。
やっぱり、俺は楽器のレッスンとか人にいろいろ教えたりはできないなぁ。
というか、したくない。