結局「自分にとってなんなのか」って事だと思うんですよ

さて、本日も

今日も「江ぐち」に行った。
土曜日だし「混むかも」と思って、開店時間より前に行った。
「この道」をいろいろ考えながら。
普段、どちらかというとクールに「どうせいつかは」と大好きな人の「死」さえも斜に構えたスタイルで捉えているのに、なんで俺は「江ぐち閉店」にこんなに狼狽してるのか?
「悲しい」「寂しい」・・・う〜ん、ちょっと違う。
もちろん「いつでも食べられる」と思っていたものが、突然なくなるということで、改めて「永遠なんてないんだ」という事を思い知らされたってのはある。
「何を大袈裟な」と思うかもしれないけど「気付くキッカケ」は人それぞれで、案外「思いもよらない所」にあったりするもんでしょう?
だから「今このとき」ってのを大切にしなくちゃなぁ、ってのを再確認したってのはある。
でも、それとも違う。
で、思ったんだけど。
たとえば、名古屋から友人が遊びに来た時や「どこかいい店ない?」みたいなことを聞かれた時に、俺は「江ぐち」に連れて行く。
俺にできる、精一杯の接待というか「もてなし」の場所だったのだ。
つまり、俺の気持ちを「伝える」ツールだったのだ。
普段「もし怪我をしたら」などと「楽器が吹けなくなったらどうしよう」って「心配してもどうしようもない」防ぎようの無い事態にビクビクしながら生きてるのは、自分の思いを「伝える手段」を失うという事への不安なんだと思う。
たぶん、それと同じなんだな。
今、俺は「江ぐち」よりも連れて行った人を喜ばせることができる店を知らない。
そうやって考えるとセンチメンタルな気分で毎日「江ぐち」に行ってる時間があったら、新たな「自分の気持ちを伝える手段」を探すべきなのかもしれないよなぁ。
実際、ただの「いちファン」である俺が毎日行ったところで、お店にとってはなんの意味もないわけで。
「儲かってなくて」の閉店ならまだしも、じゃない?
それよりも、夜になってミクシイの「江ぐちコミュニティ」見てたら、今日おそらくわざわざ電車に乗って行った人が「早々と麺切れで食べれませんでした」と書き込んでた。
たぶんそういった人は何人もいただろうから、俺ひとりが行かなかければ「なんとかなった」って事はないにせよ・・・なんか悪いような気がするんだよなぁ。
考えすぎか。閉店間際で、俺までがギリギリって状況だったら譲るかもしれないけど。
こちとら、朝早くから行ってんだもんね。
で、今日はノーマルなラーメンの大盛りを。
井上さんが「お待ちど!」とカウンターに出してくれたら、向こうで若い店員の橋本さんが「あ!」って顔をして。
冷蔵庫からナルトの「キレッパシ」の袋をゴソゴソ・・・で、ちょっとにおいを嗅いで「ん?」って顔をして。すぐさま別の袋を取り出して、俺の丼にドサドサッと!今日は正真正銘「売り物用」のナルトじゃないか。

で、橋本さん「昨日は忘れちゃってごめんなさいね〜」って。
いやいや・・・なんかもう。
普段「常連」になることや、特別な扱いを受けることを嫌ってるから矛盾するようだけど、素直にウレシイ。
こっちが恐縮してしまうような「心遣い」っていわゆる「店と常連」の客側が勝手に思ってる「特別な感じ」とは違うと思うのです。
たった一回「ナルトが好きでさ〜」って話をしただけなのに。それもお店の人に向かって言ったんじゃなくて、客同士の会話ですよ。
今日なんて、ならんで待ってる人がいるぐらい大忙しだってのに。それこそ、お客さんの注文する複雑なトッピングを覚えられなくて間違えちゃうぐらいなのに(苦笑)
「間違えちゃう」はダメだけど、この若い店員さんは「客商売をする者」として非常に大切なことがわかってると、思うのです。
「言われたこと」「頼まれたこと」をやる、なんてのは「サービスを提供する」でもなんでもないわけで(間違えたら「頼まれたこともできてない」ってなるけど、まぁミスはあるでしょう)
自分で「こうしたら喜ぶだろうなぁ」って考えてお客さんの「好み」を覚えるわけでしょう?ひょっとしたらノートなんかに膨大な量のメモをしてるかもしれない。
それは、お客さんに喜んでもらうための、結果的にお店が繁盛するための、ものすごい努力だと思うのです。
で、そんな若者を育てた「江ぐち」の「姿勢」に「ホントにイイ店」を感じるのです。



あ〜ついにネットのニュースにもなりましたねぇ。
http://news.www.infoseek.co.jp/fuji/society/story/23fujizak20100123002/
でも、なんか「違うなぁ」・・・と。
いわゆる「ラーメンマニア」がどうこう言うような味の店ではないんだがなぁ。
今まで一度も食べたことがないのに「大崎さんが言うんなら」って、おしかけたら何かイヤだなぁ。
で、当然食べて「ん〜?」ってなるだろうけど「大崎さんが言うんだから」と美味しいと思う・・・
それは、久住さんがエッセイで問題視したり、江口寿史さんが「ラーメン道場やぶり」のテーマのように批判したり・・・なにより俺自身が一番キライな「図式」なんだよなぁ〜

ラーメン道場やぶり

ラーメン道場やぶり

※ウエブでも一部を読むことができます。
http://www.kotobuki-studio.com/doujou/doujou.html