ステキなタイミング

変な感じです

ちょっと間が開いてしまったので「もういいかな」とも思ったんだけど。
せっかく落ち着いたんで書いておきます。
「伯母の葬式」の話。
結局、いつもここに書いてる俺の「可愛げのない死生観」みたいな事になってしまうんだろうけど。
さっき「伯母」と書きましたように母の姉が亡くなりました(今更ですが「伯母」と「叔母」の使い分けを初めて知りました)
最初に連絡をもらったのは亡くなった日の夕方でライブの直前、母からの電話でした。
その内容が淡々としたものだったということもあり「悲しい」という感情はなかったです。
亡くなった伯母は俺が小さかった頃、最初愛知県の瀬戸市に住んでいて(俺が瀬戸で産まれたのもそれが理由)その後は今は「みよし市」になった三好町に住んでました。
近かった事もあって、毎週のように家族で遊びに行ったり、夏休みなどの長い休みともなれば何日も泊まったり。
まぁ、一番お世話になった親戚です。
こういっちゃなんだけど、わりと仲が良かったし、もちろん好きだった。
だから、もしその頃亡くなってたら、もっと別の感情もあったでしょう。
中学・高校になるとほとんど遊びに行く事もなくなり、大人になってからはそれこそ「冠婚葬祭」以外で会うことなんて滅多になかった。
最後に会ったのもいつだったか?と考えたら・・・2007年にKABB!が愛知県芸術文化劇場でDVDの発売記念コンサートをした時。
終演後に少しお話したと思います。
そう考えたら「良かったかな」と。
小さい頃に散々世話になって。大したことじゃないかもしれないけど、大人になって「それなりの成果」を出した姿を見てもらえたってのは「恩返し」なんてオコガマシイけど、それに近いものがあったんじゃないかなぁ〜と。
それ以来会ってない。
だから、母から「亡くなった」という知らせを受けた時も「そうか」と。
この「可愛げのない死生観」はどこから来てるのか?というと。
俺が物凄く小さい頃にテレビで主人公の母親が死ぬという話を見たんですね。
で、それに感情移入したかでボロボロ泣いて「お母さんが死んだら悲しい」みたいな話をしたのです。
そしたら母は「悲しむ事はない」「物事には順番があって必ずあなたよりお母さんは先に死ぬ」と。
「もし、あなたがお母さんより先に死んだら、とても悲しい」とも。
だから「お母さんはあなたに看取ってもらえたら幸せだし、あなたも良かったと思いなさい」と。
これが俺の「死生観」の基本です。
う〜ん、ウチの親もちびっこ相手に結構「上級編」の死生観を叩き込んだもんだ。
亡くなった伯母は84だったから「大往生」とは言えないかもしれないけど。二人の息子がいて、それぞれの孫がいて、さらに曾孫もいる。
それがみんな元気で、よくお見舞いにも行ってたそうです。
人生に「充分」とかないだろうし、長生きするのに越した事はないんだろうけど「よかったじゃないですか」と思う。
すっかり疎遠になってロクに見舞いにも行ってない俺が「寂しい」とか「悲しい」ってねぇ。
それでも「最期のお別れ」で姿を見た時はグッと込み上げてくるものがあった。
それこそ「走馬灯」のようにいろんな事を思い出したり。
でも、それより「最期の御声かけ」の時に、いとこがボロボロ涙を流しながらホント100回ぐらい「ありがとう」と言ってるのはたまらなかった。
本当に深い感謝の気持ちがこもった、あんなに寂しい「ありがとう」は・・・今コレを書いてても思い出して涙が出ます。
母が言う「順番」ならば、いとこの姿は次の俺です(もうひとり真ん中に姉がいますが)
御棺に蓋をした時に「よかった、よかった」とつぶやくいとこの姿も強烈に印象に残ってます。
火葬場は葬儀場から結構離れていて、高速道路なんかを使って行く場所だったんですけど、いとこの運転する車に同乗させてもらいました(喪主は彼の兄)
ドライブが好きだったという伯母の「ラストランです!」なんて冗談を言ったり。
満開の桜の道を走りながら「お袋も良いタイミングだったなぁ」と。
たぶん、桜の時期になると今日のことが思い出せるんでしょう。
火葬場は山の中にあるひっそりとした桜が綺麗で景色のいいところでした。
焼きあがった御骨は色も白く、堂々と立派なものでした。
火葬場の人も「若い人ならいざ知らず」といった感じで「見事な御骨です」って言ってたなぁ。
ただ、それまであまり悲しそうにしていなかった母が「もう、どこに行っても会えないんだねぇ」「寂しいねぇ」と初めて言った。
帰り道でも「死んでいても身体があるうちはそうでもなかったけど、骨だけになったのを見た時はショックだった」みたいな事を言ってた。
う〜ん・・・まぁ、自分の「お姉ちゃん」だもんなぁ。
基本、我が家は「愉快な家族」なんですけど、シンミリしちゃいましたね。
なんとなく、そのまま実家へ帰って両親と「今日の出来事」みたいな話をしたくなかったので・・・
ちょうど、東京から来てた同僚のライブに行って、朝まで呑みました。
いや〜俺は「自分の順番」が来たときに、ちゃんと母の教え通り「よかった」って思えるだろうか?
いやなんだけど、必ずいつかやってくる「その日」の事を考えると、どうもねぇ。